いつも行きなれているキラコタン岬ですが、晩秋をむかえ草紅葉やヤマモミジの紅葉、ミズナラの茶色から褐色の紅葉に彩られ、とても美しい姿を見せてくれました。お客様を案内していたので原則、写真は撮影しないのですが、あまりに美しかったので失礼して携帯(ガラ系です)で撮影したので容量不足ですが、少し秋の空気が伝わればとおもいます。アキベツ川には産卵を終えたサケが4年の命を終え、自然に還るさまを垣間見ました。
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なぜ、ニホンライチョウは北海道にいないのだろう?
北アルプス登山の野鳥的醍醐味はライチョウとの出会いである。3年前、剱岳立山縦走登山で台風のなか、ライチョウに出会い、悪天候こそライチョウに出会えるものとおもっていた。今回、常念山脈縦走では、好天に恵まれ、まったくライチョウのことは頭になかったが、燕岳山頂周辺でなんと人をおそれぬライチョウの雌と戯れることができた。この時期、クロマメノキやフレップ、ガンコウランなど採餌に最適な季節ではあるが、あまりにも人を恐れぬライチョウで、山小屋のスタッフに聞くと、「燕岳のライチョウは他より人を恐れないんです」と実証的な回答。
物の本によると、日本を南限にユーラシア、北極圏などに生息するなかでも日本のライチョウは人を恐れない、若しくは人に虐められていない、人懐っこい野鳥なのだそうだ。
ライチョウは日本固有種の亜種ニホンライチョウで日本アルプス高山地帯にのみ生息している。
北海道にはエゾライチョウというこれまた北海道のみに分布しているものがいるが、こちらは同じライチョウ科でもライチョウ属にたいしてエゾライチョウ属で違う仲間に分類される。
ライチョウが冬毛代わりして真っ白の保護色になるのは有名だが、エゾライチョウは年中同じ羽色である。どちらも美味しい鳥のようで、エゾライチョウを食べた話は阿寒でよく聞いた。今でもエゾライチョウは狩猟鳥になっている。欧州ではクリスマスに七面鳥を食べる前はこのエゾライチョウを食べていたそうだ。
阿寒の林道で春先など幼鳥を連れたエゾライチョウを見るのは比較的容易である。ニホンライチョウが高山志向に対して、エゾライチョウは里山志向なのである。
今回、ニホンライチョウの雌にも肉冠(トサカのことです)があるのを発見した。近づいてきてひょんな調子に興奮したのか、その肉冠が色鮮やかに肥大した。雄の肉冠は肉感的に大きいが雌もあるんだねぇ。
ちなみに、私の最大の謎は、氷河期の生き残りと言われ、大陸から渡ってきたライチョウがなぜアルプスには残って、北海道には残らなかったのかということだ。日頃、釧路湿原の異存種(レリック)たちを紹介しているが、温暖期に移行するなかでより寒冷な北海道にライチョウが残らなかったことが不思議だったのである。
山小屋の図書室でライチョウ関係の本で調べてみた。そこには、「北海道に残らなかったのは不明である」とあった。ライチョウは約3千羽ほどで岐阜県、富山県、長野県の県鳥であり国の特別天然記念物である。我が北海道の鳥はタンチョウ、こちらも全世界の生息数は約3千羽、同じく国の特別天然記念物である。
天の配置はなんとも魅力的な棲み分けをみせてくれる。
山でこんなものをいただいて贅沢な気分
テントや食糧をもたないでも、山小屋を利用して縦走が可能な北アルプス。中高年にはありがたいが、故に事故が多いのも現実。味覚の秋は登山もグルメ。泊まりたい宿No.1の燕岳山荘ではビールはもとより、ケーキバイキングってのをやってました。われわれは現地調達でシナノピッコロという小粒のリンゴを持参。学校給食用に改良されたリンゴだそうだが、これが登山に最適。というのも、食べきりサイズで酸味、甘味がほどよく、おまけにぶつけても痛まない。これぞ登山用! 今回の登山で最高の食べ物は縦走路に実っていたクロマメノキ。小粒のべリーで、雷鳥も大好物。これを小休止に食べると疲れも癒され最高でした。それにしても他の登山者があまり食べていなかったのは不思議でした。