「凸凹日誌」カテゴリーアーカイブ

超地味な湿原の花が満開です。

ホロムイツツジ。ヤチツツジが和名のようです。良く見るとかわいらしい花が鈴なり

5月上旬の湿原はまだ花の季節には早い印象ですが、さにあらず、超地味な花が高層湿原にひっそりと咲いています。茶色の芽のようなヤチヤナギの花はヨーロッパでは、中世にビールなどの香り付けに使ったハーブです。今でもオランダやデンマークではヤチヤナギを使ったビールがあるそうです。摘むといい香り。白い鈴なりの花をつけているのはホロムイツツジ。石狩地方にかつてあった幌向湿原の名前を関した植物は7種あります。今はなき生まれ故郷を懐かしむような控えめな白が哀愁を醸し出します。
温根内木道の先端部は高層湿原という釧路湿原ではたった2%ほどの稀少な地域です。別名ミズゴケ湿原ともよばれますが、高山植物や稀少な花の宝庫ですが、これがいずれも超地味なもの。目をこらすと、あちらこちらに咲いています。地味好みの方には最高の花見です。いずれも樹木の仲間です。

ヤチヤナギ。ちょっと苦味を感じさせる上品な香り。ヤナギに似ていますがヤマモモ科です。
ヤチヤナギとホロムイツツジは高層湿原に一緒に咲いています。
タンチョウもヒナが孵ったんでしょうか、1羽で採餌中
ヤチボウズの新緑、カブスゲが天辺で花を咲かせています
エゾネコノメソウが満開。ヒメカイウやエンコウソウはこれからという感じ

英国トレッキングツアー⑦~バードウォッチング大国イギリス

バッキンガム宮殿のある公園で鳥たちと戯れました

4月6日から16日の11日間、イングランド湖水地方やコッツウォルズなどを歩きながらバードウォッチングもしました。バードウォッチング人口が約3百万人、国民20名に1人の割合のバードウォッチング大国イギリスです。印象は、人と鳥の距離が近いとおもいました。公園や散策路、住宅街でも身近に野鳥観察が楽しめます。名前を確認できたのは57種、全体で60数種の野鳥をチェックしました。私には珍しいけど、英国ではポピュラーな鳥だけをアップします。

これはSerinという鳥では?
国鳥のコマドリ(Robin)。日本のコマドリとは鳴き方、生息場所が違い、どこでも参上。さすが国鳥。
クロウタドリ(Blackbird)も美声を響かせていました
湖沼に多いのはカナダガン。ハクチョウやカモメ達と一緒です
あちらのカラスJackdaw.黒と灰色のコンビで小型、顔に愛嬌あり。
Jackdawは別名chimny-sweep bird(煙突掃除の鳥)。本当!
車窓から見た一番多い鳥はキジかもしれません。愛嬌あり。
かわいいフィンチはChaffinch.色合いがシックです
日本のスズメは(Tree Sparrow),あちらはHouse Sparrowが多い。ちょっと印象が違います

英国トレッキングツアー⑥~コッツウォルズのナショナルトレイルを歩く

牧場境界は石積の壁。人工物がないので景観が美しい

英国には15の国立公園と同じ数のナショナル・トレイルという軸になるフットパスがあります。今回は湖水地方(レイク・デストリクト)という国立公園とコッツウォルズ・ウェイというナショナル・トレイルを歩くことが出来ました。私は全長164kmの最後のほんの10kmほどを歩き終点(起点でもいいのですが)の街、チッピング・カムデンに宿泊しました。ブロードウェイという標高100mほどの街からコッツウォルズ丘陵の標高300m前後の丘沿いのウォーキングです。とても歩きやすく前後の丘までの上り下りが少し難儀するくらいで快適な散策です。途中、羊の放牧地を歩いたり、畑のなかを歩いたり、丘からの絶景ポイントで休息したりして約4時間ほどの歩行時間でした。英国のフットパスは総延長約20数万kmだそうです。私たちが歩いたのはほんの僅かですが、英国の歩く文化の魅力の一端に触れたおもいがありました。

ブロードウェイでフットパスの入口を探します。これが結構たいへん。
こんな標識がありました。さすがナショナルトレイルです。ドングリのサインが目印
子羊たちが遊ぶ牧草地を抜けていきます
牧夫と牧羊犬が羊たちを集めます。見学する我々には最高のアトラクションですが作業は大変。
ブロードウェイ・タワーという丘の上のタワーをめざします
丘からの眺め、さきほどの牧夫が集めた羊の数がわかります。
畑のなかにフットパスの道があります
石壁の間を通り森林地帯にはいります。道に迷う心配はありません。
ドーバーズ・ヒルからコッツウォルズを一望。菜の花畑の黄色いパッチワークが美しい
楡の巨木をながめならが最後の下り坂へ
蜂蜜色の煉瓦で美しいチッピング・カムデンの街に到着。今夜の宿はインというスタイルの居酒屋宿。

英国トレッキングツアー⑤~湖水地方からコッツウォルズへ

ウイリアム・モリスが英国で一番美しい村と讃えたバイブリーですが、少し観光客に飲まれ気味でした。

旅は湖水地方からコッツウォルズへ。鉄道で4時間半、途中2回の乗換えがあります。切符はネットで事前予約し、確認書をもって駅窓口で切符に交換します。英国は複数の鉄道運営会社があります、乗り継ぎが上手くいくか、昼食をどこで食べるか等々不安がつきまといます。2回目の乗継駅バーミンガムはとても大きなターミナルで大きくイメージが違い、乗換えホームを探すのに一苦労。夕食の調達で駅コンビニで駅弁調達し、やっと列車に飛び乗りました。

複数の鉄道運営会社が網羅する英国。鉄道の旅も快適です。
英国の鉄道は狭い。JR北海道おおぞらより狭い。ただし、2等車しか乗ってません。
バーミンガム駅構内で買った和食駅弁。暖かかったら美味しいのでは。

コッツウォルズの旅は、田舎町の魅力とフットパス散策です。拠点になる町でも数万、1万人前後の中サイズと千人未満の小サイズのマチ、そして数件の集落が点在します。公共路線バスでマチの間を移動するのと、フットパスを歩いて移動というパターンです。最初の街チェルトナムからサイレンセスターの間は唯一、観光バスのような2階建てバスでしたが、それ以外は生活路線バスで、街のお年寄り達や私たちのような旅行者が混在した感じです。コッツウォルズでも人気の田舎町バイブリーやボートン・オン・ザ・ウォーターといった街では田舎町ならではのたたずまいがそれぞれの個性とともに楽しめます。周辺のフットパス散策ものんびりゆったり楽しめるのは、個人旅行の特典です。この日の宿泊地であるローアー・スローターという所は数件の集落でしたが、ボートン・オン・ザ・ウォーターからローアー・スローターまでの5キロほどのフットパスは牧場、森林、小川などをぬってまことにコッツウォルズの魅力を凝縮したようなルートでした。1日で10kほど歩いたのでしたが起伏があまりないので爽快、好天のなか充実の散策でした。

至るところ菜の花畑が黄色に野原を彩ります。2階建てバスからの絶景。
八重桜が満開のチェルトナムの街。18世紀から続く温泉町。
2階建てバスはロンドンだけじゃなく湖水地方にもコッツウォルズにもあり。
ボートン・オンザ・ウォーターはコッツウォルズのベニスといわれる水の街。
街の中を乗馬の連れがゆったりと。車は一時停止。
複数のフットパスの交差点ですがサインはこんな感じ。
さりげなくスモモの木の花のトンネル。名もなきフットパスなんですが!!
フットパスをつなぐ一般道を歩きますが、幹線道路は危険で歩けません。
ローアー・スローターの集落を流れる小川にリュウキンカの花
小川の中洲を行くフットパス。
やっと宿に着いてホッ。この旅で一番のリッチなインでした。

英国トレッキングツアー④~ウインダミア湖は阿寒湖か?

湖岸には大小さまざまな遊覧船をはじめ、ヨットやカヌーが浮かび、湖岸には別荘やホテルが点在

体力調整も兼ねてこの日は、ウォーキングを抑えて湖水地方観光人気のアトラクションを楽しみました。ウインダミア湖の湖上遊覧は多種多彩ですが、40分ほどの湖上遊覧で南岸の船着場から保存鉄道に乗るアトラクションがセットになる半日プランに参加しました。阿寒湖の湖上遊覧に釧網線のノロッコ号がセットになったような感じです。もちろん景観が全然違うのですが、隠れた共通点があります。それはどちらも産業遺産を観光資源に転化したものだということです。産業革命時に大規模な開発が行われた英国で木材やスレート石などの開発資源を船で運び、鉄道を繋いで港から各地に運搬したのがおこりとのこと。阿寒湖の遊覧船も森林資源を阿寒川口まで筏で流送した作業船が昭和初期から観光事業に切り替えた歴史が起源です。釧網線も川湯の硫黄山の硫黄搬出鉄道がルーツです。そんな類似点をおもいながらゆったりとした旅を楽しみ、湖水地方の3日間に別れをつげ、コッツウォルズへの鉄道に乗り込みました。

船着場には水鳥と人が集っています
この船と同型の船にのりました。3層のキャビンがありバーやカフェもあり
オープンデッキも気持ちいい
着岸の船着場にかわいい保存鉄道が待っています。往復30分ほどの鉄道の旅です
給水、燃料補給もアトラクションの一部です
この顔、いいですね。
機関車トーマスをイメージしますがファミリー層が多い