「凸凹日誌」カテゴリーアーカイブ

湿原に先人達の暮らしの痕跡を訪ねる

釧路湿原の周りには約5百におよぶ遺跡がある。縄文からアイヌ文化まで、年代の幅もひろく、人の住みやすい環境があったということか。
キラコタン岬の遺跡探訪勉強会に参加した。ちょっとした窪みが竪穴住居跡といわれても、なかなかピンとこないところが苦しいが、あらためて、人の住む環境というものを考えさせられた。水、食料確保、安全、交通アクセスなど、キラコタン岬には全てがそろっていたのであろう。この蛇行する川の風景も、秋には鮭がのぼり、丸木舟をつかった移動も容易、そして湧き水がある。アイヌ語に詳しい方の話では「キラ・コタン」は「逃げる・集落」という意味で、白糠にも同様な地名があるとのこと。何から逃げたのか、疫病か、津波か、和人の迫害からか…。風景の印象が、少し違って見えた。

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キラコタン岬先端からながめるツルワチナイ川支流のヘヤピンカーブ

北海道の春は季節が圧縮されて、エゾヤマザクラとチューリップが一緒に…

IMG_1024今日は釧路のエゾヤマザクラも満開となりました。北海道の季節のなかで、特に春は圧縮されてアッというまに過ぎていきます。今年は例年よりエゾヤマザクラの開花は早いようですが、芝桜やチューリップも咲き始めました。チューリップフェアという春のイベントがありますが、以前、その会場とエゾヤマザクラの名所である春採公園、オオバナノエンレイソウの群生地である武佐の森を結んでイベントバスを運行したことがあります。春爛漫ですが、今日はちょっと地味だがこちらも満開となった、ヤマモミジの花をアップします。歳のせいか、地味なものに目が行く今日この頃です。

大天使ガブリエルの青いマント

IMG_0887 私の住む美原地区には外周4.5kの散策路がある。野草園をつくっているグループがいて、この時期の楽しみのひとつだ。エゾエンゴサクは、春を告げる代表的な野草だが、今年もこんな感じで、小規模だがまことに美しい。倉本聰さんの「風のガーデン」では確か、大天使ガブリエルの青いマント、という花言葉を記憶しているが、主人公のお父上、『貞三先生の花言葉』では、「妖精たちの秘密の舞踏会」とある。どちらが、らしいか、悩ましい。
最近、外国人をご案内する準備で野草の英名を調べていたら、こちらは、Corydaris Tuber。さらにアイヌ語ではトマ(食用の塊茎部をさす)という。言語毎に名前を覚えるのは中高年の脳細胞には大変すぎる。名前を覚えればいいというものでもない。何といっても、エゾエンゴサクの白から青、時には紅青までの花色と様々な変化にとんだ花びら、こんなに多様な変化を見せる野草もめずらしいのでは。松浦武四郎も『久摺日誌』に紹介。ここでは黄色いエンゴサクも見たとある。じっくり美しさに浸りたいものだ。

これは何分咲き?

エゾヤマザクラぽっと押したらぱっと咲きそう
エゾヤマザクラぽっと押したらぱっと咲きそう

阿寒湖温泉へ仕事で往復、連休後半、春ウララの日和。上阿寒の農道縁のエゾヤマザクラ、まだ蕾だけれど、数輪の花も咲いていました。今年は少々早めではないでしょうか。これからエゾヤマザクラ、エゾウワミズザクラ、シウリザクラと、北国のサクラシリーズが続きます。

早春の湿原展望台

IMG_0576釧路市湿原展望台の遊歩道を視察もかねて1周してきました。フキノトウとフクジュソウがちらほら。サテライト展望台では、エゾアカガエルの鳴き声が湿原に響き渡り、カラ類とともにウグイスの初鳴きも聞いてきました。湿原のなかを目をこらしてみるとタンチョウの番が営巣しているのを確認。お客さんにもしばらくの間、タンチョウの子育てを見ていただけると思います。