「映画・本・JAZZ・登山」カテゴリーアーカイブ

テレビマンユニオン製作「遠くに行きたい!」で鶴居阿寒の仲間たちが出演

IMG_0004テレビマンユニオンといえば、私の世代(60代)にとっては、テレビ時代の先駆けをまさに疾走していた制作会社でした。ベトナム戦争激化のなかで、TBS系をメインとするテレビ報道の可能性を切り開いていた猛者たちが集結していた印象があり、電話で問い合わせがあった時も、優しい女性スタッフの声でしたが、おもわずドキッとしました。
「遠くへ行きたい」はそのテレビマンユニオンが製作している現在のテレビレギュラー番組の最長寿番組だそうです。私の子どもの頃は、永六輔さんがレギュラー出演し、観光地ではない普通の町の風土にふれる、今日のツーリズムの先鞭をつけた番組だったようにおもいます。今回は、釧路ロケ編で少しばかり情報提供のお手伝いができました。
いつもお世話になっている、鶴居、阿寒の皆さんが画面に登場し、おもわず写真を撮りました。人と自然の関係性を大切にしている番組コンセプトは今も昔も変わらないようにおもいました。

鶴居のネイチャーガイド毛利さんも音羽橋でガイド
鶴居のネイチャーガイド毛利さんも音羽橋でガイド
タンチョウを慈しむ山崎親子三代
タンチョウを慈しむ山崎親子三代
西田さんの刺繍には心を感じます
西田さんの刺繍には心を感じます
ポロンノ一家には未来が見える
ポロンノ一家には未来が見える

今年一年の感謝を込めて「凸凹冬の“美の壷”」をご覧下さい

moanin3今年一年の感謝を込めて、昨年より還暦の手習いではじめたピアノを一曲お聴きください。「モーニン」は有名なJAZZナンバーですが、「あさ!」ではなく、「うめく、嘆く」という意味だそうです。一曲全部聴いていただくのは恐縮なので、冬の情景をスライドショーにしました。題して「凸凹冬の”美の壷”」です。上映は約2.5分。では、どうぞ!moanin3&4

 

 

発見!!阿寒国立公園の3つのカルデラを一望できる処

3つのカルデラが一望できる摩周岳ピーク
3つのカルデラが一望できる摩周岳ピーク

好天の11月4日、グリーンシーズンもひと段落し、ほっと一息。摩周岳に足を運びました。晩秋とはおもえる暖かな日和。片道7.2kの登山道はとても草刈が行き届き、クマイザサも気にすることなく快適な散策でした。松浦武四郎の6回目の蝦夷地探検では摩周カルデラを時計逆周りで摩周岳に登頂し、湖のほとりの洞穴で1泊しました。最近は、北根室ランチウェイのルートにもなっており、西別岳からの縦走も容易です。
また、アイヌの山本多助さんが記したカムイヌプリ(摩周岳は神様の山です)を舞台にしたカラスの伝説をはじめ、アイヌの物語の数々もこの山のイメージを豊かに彩ります。
あまり起伏もきつくなく、頂上直下の登りだけがきつく感じました。頂上は、槍ヶ岳をおもわせる風貌で、ピークも狭く少々怖いけど、なんとも見事な眺めに圧倒させられます。
摩周カルデラはもとより、屈斜路、阿寒の3つのカルデラが一望出来る処はここだけでしょう。太古の記憶から今に至る歴史におもいをはせたひと時でした。

この日の摩周湖はとにかく美しい!
この日の摩周湖はとにかく美しい!
落葉したシラカバの明るい道をいきます
落葉したシラカバの明るい道をいきます
これが摩周ブルーか!
これが摩周ブルーか!
西別岳を正面にみて、きれいに草刈がされた登山道
西別岳を正面にみ、きれいに草刈がされた登山道
今年の雪です。
今年の雪です。
片道7.2kだけど距離はかせげます
片道7.2kだけど距離はかせげます
ピークを眺めながら、奥は斜里岳
ピークを眺めながら、奥は斜里岳
ピークは狭く、決してはしゃがないこと
ピークは狭く、決してはしゃがないこと
右下の入り江に武四郎の泊まった洞があるそうな
右下の入り江に武四郎の泊まった洞があるそうな
登頂祝賀ケーキは川湯駅前森のホールで
登頂祝賀ケーキは川湯駅前森のホールで
いつになく気取った凸凹
いつになく気取った凸凹

なぜ、ニホンライチョウは北海道にいないのだろう?

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ハイマツからあたりを見回す
ハイマツからあたりを見回す

北アルプス登山の野鳥的醍醐味はライチョウとの出会いである。3年前、剱岳立山縦走登山で台風のなか、ライチョウに出会い、悪天候こそライチョウに出会えるものとおもっていた。今回、常念山脈縦走では、好天に恵まれ、まったくライチョウのことは頭になかったが、燕岳山頂周辺でなんと人をおそれぬライチョウの雌と戯れることができた。この時期、クロマメノキやフレップ、ガンコウランなど採餌に最適な季節ではあるが、あまりにも人を恐れぬライチョウで、山小屋のスタッフに聞くと、「燕岳のライチョウは他より人を恐れないんです」と実証的な回答。
物の本によると、日本を南限にユーラシア、北極圏などに生息するなかでも日本のライチョウは人を恐れない、若しくは人に虐められていない、人懐っこい野鳥なのだそうだ。
ライチョウは日本固有種の亜種ニホンライチョウで日本アルプス高山地帯にのみ生息している。

阿寒の林道で見かけるエゾライチョウ
阿寒の林道で見かけるエゾライチョウ

北海道にはエゾライチョウというこれまた北海道のみに分布しているものがいるが、こちらは同じライチョウ科でもライチョウ属にたいしてエゾライチョウ属で違う仲間に分類される。
ライチョウが冬毛代わりして真っ白の保護色になるのは有名だが、エゾライチョウは年中同じ羽色である。どちらも美味しい鳥のようで、エゾライチョウを食べた話は阿寒でよく聞いた。今でもエゾライチョウは狩猟鳥になっている。欧州ではクリスマスに七面鳥を食べる前はこのエゾライチョウを食べていたそうだ。
阿寒の林道で春先など幼鳥を連れたエゾライチョウを見るのは比較的容易である。ニホンライチョウが高山志向に対して、エゾライチョウは里山志向なのである。

目の上にオレンジ色の肉冠がみえる
目の上にオレンジ色の肉冠がみえる

今回、ニホンライチョウの雌にも肉冠(トサカのことです)があるのを発見した。近づいてきてひょんな調子に興奮したのか、その肉冠が色鮮やかに肥大した。雄の肉冠は肉感的に大きいが雌もあるんだねぇ。
ちなみに、私の最大の謎は、氷河期の生き残りと言われ、大陸から渡ってきたライチョウがなぜアルプスには残って、北海道には残らなかったのかということだ。日頃、釧路湿原の異存種(レリック)たちを紹介しているが、温暖期に移行するなかでより寒冷な北海道にライチョウが残らなかったことが不思議だったのである。
山小屋の図書室でライチョウ関係の本で調べてみた。そこには、「北海道に残らなかったのは不明である」とあった。ライチョウは約3千羽ほどで岐阜県、富山県、長野県の県鳥であり国の特別天然記念物である。我が北海道の鳥はタンチョウ、こちらも全世界の生息数は約3千羽、同じく国の特別天然記念物である。
天の配置はなんとも魅力的な棲み分けをみせてくれる。

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こんなに距離が近い!
こちらはイワヒバリ。北海道にはほぼいないことになっている。
こちらはイワヒバリ。北海道にはほぼいないことになっている。
ルリビタキの雌。登山中の針葉樹林帯に多い。
ルリビタキの雌。登山中の針葉樹林帯に多い。
ハイマツの実をむさぼるホシガラス。北海道でも元気。
ハイマツの実をむさぼるホシガラス。北海道でも元気。

山でこんなものをいただいて贅沢な気分

シナノピッコロには大変お世話になりました。地元だけのもののようで。
シナノピッコロには大変お世話になりました。地元だけのもののようで。

テントや食糧をもたないでも、山小屋を利用して縦走が可能な北アルプス。中高年にはありがたいが、故に事故が多いのも現実。味覚の秋は登山もグルメ。泊まりたい宿No.1の燕岳山荘ではビールはもとより、ケーキバイキングってのをやってました。われわれは現地調達でシナノピッコロという小粒のリンゴを持参。学校給食用に改良されたリンゴだそうだが、これが登山に最適。というのも、食べきりサイズで酸味、甘味がほどよく、おまけにぶつけても痛まない。これぞ登山用! 今回の登山で最高の食べ物は縦走路に実っていたクロマメノキ。小粒のべリーで、雷鳥も大好物。これを小休止に食べると疲れも癒され最高でした。それにしても他の登山者があまり食べていなかったのは不思議でした。

 

 

 

 

ケーキバイキング!はさすがにパス。ケーキセット900円。
ケーキバイキング!はさすがにパス。ケーキセット900円。
人気No.1の山小屋である燕岳山荘は10月入ったのに百人ほどの宿泊者が!
人気No.1の山小屋である燕岳山荘は10月入ったのに百人ほどの宿泊者が!
山小屋の夕食、登山中、体重増になりました
山小屋の夕食、登山中、体重増になりました
クロマメノキはベリーなのできっと眼にもいいはず
クロマメノキはベリーなのできっと眼にもいいはず
クロマメノキの実をむさぼってます
クロマメノキの実をむさぼってます