5月上旬の湿原はまだ花の季節には早い印象ですが、さにあらず、超地味な花が高層湿原にひっそりと咲いています。茶色の芽のようなヤチヤナギの花はヨーロッパでは、中世にビールなどの香り付けに使ったハーブです。今でもオランダやデンマークではヤチヤナギを使ったビールがあるそうです。摘むといい香り。白い鈴なりの花をつけているのはホロムイツツジ。石狩地方にかつてあった幌向湿原の名前を関した植物は7種あります。今はなき生まれ故郷を懐かしむような控えめな白が哀愁を醸し出します。
温根内木道の先端部は高層湿原という釧路湿原ではたった2%ほどの稀少な地域です。別名ミズゴケ湿原ともよばれますが、高山植物や稀少な花の宝庫ですが、これがいずれも超地味なもの。目をこらすと、あちらこちらに咲いています。地味好みの方には最高の花見です。いずれも樹木の仲間です。