体力調整も兼ねてこの日は、ウォーキングを抑えて湖水地方観光人気のアトラクションを楽しみました。ウインダミア湖の湖上遊覧は多種多彩ですが、40分ほどの湖上遊覧で南岸の船着場から保存鉄道に乗るアトラクションがセットになる半日プランに参加しました。阿寒湖の湖上遊覧に釧網線のノロッコ号がセットになったような感じです。もちろん景観が全然違うのですが、隠れた共通点があります。それはどちらも産業遺産を観光資源に転化したものだということです。産業革命時に大規模な開発が行われた英国で木材やスレート石などの開発資源を船で運び、鉄道を繋いで港から各地に運搬したのがおこりとのこと。阿寒湖の遊覧船も森林資源を阿寒川口まで筏で流送した作業船が昭和初期から観光事業に切り替えた歴史が起源です。釧網線も川湯の硫黄山の硫黄搬出鉄道がルーツです。そんな類似点をおもいながらゆったりとした旅を楽しみ、湖水地方の3日間に別れをつげ、コッツウォルズへの鉄道に乗り込みました。
「凸凹日誌」カテゴリーアーカイブ
英国トレッキングツアー③~ポターが愛した景観美
ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターがトラストで保存した湖水地方の景観美を堪能する1日。快晴のウインダミア湖を東岸の町から10分ほどで西岸の保存地区に渡る。広がる牧草地に羊の群れが新緑の芝生に映える。ポターの暮らしたヒルトップ農場のあるニア・ソーリー村は絵に描いたような白壁の集落で、桜やモクレン(マグノリア)が満開で、この土地を愛し、保存に尽力した気持ちが伝わる美しさだ。ウインダミア湖は湖水地方の中心的な湖だが東部や北部は観光開発が進み、西部は牧歌的な景観とコントラストをなす。午後は、北部のグラスミアの町に公共バスで移動し、湖水地方でも人気のグラスミア湖とライダル湖の周辺を巡るフットパス散策である。湖岸を歩くルートや少し丘ぞいの丘陵地を巡るルートなどがあり、老若男女、子連れ、犬連れ様々な人々が散策する。湖岸沿いは春採湖の散策路のようで丁度週末であったので国内の自家用車で旅行を楽しんでいる層が一番多いように感じた。約5kmのコースだが最初にルートを間違ってしまい7kmくらいは歩いたようだ。フットパスの入口さえ見つければ道を迷うことはない。夕暮れに隣町のアンブルサイドに着く。この街はスレート石で建物が出来ているので雰囲気がシックなのだが、トレッキングの起点になっているのでアウトドアメーカー(有名な店の専門店)ショップが数店あって、ビックリ。早めの夕食で英国を代表するグルメ、フィッシュアンドチップを賞味。その量に圧倒される。宿泊地のウインダミア湖畔へのバスは2階建て。ロンドンだけではなく、観光地には2階建てバスが普通に走っている。当然、2階に乗車するのだが、これが怖い。道路幅が狭く、街路樹が迫っているとともにバスの形に合わせて刈り込みがされている。このため、立ち上がったり横に手を出したりすると本当の危険なのだ。また、車両速度が日本より全体に20kくらいは速いとおもう。湖水地方を堪能した1日だったが、気を抜くとキケン。
英国トレッキングツアー②~なるほどこれが湖水地方
いよいよ湖水地方へ。乗り継ぎ駅でローカル線で湖岸の起点駅ウインダミアに到着。午後から地元ガイドの自然ツアーに参加するがその前に腹ごしらえ。衝撃の量に今後の食生活に不安が過ぎる。ミニバスによるツアーは盛んで、日本語の音声ガイドを流しながらガイドさんはゆっくり英語で説明してくれる。お客は私たち2名のみ。阿寒の林道や枝道を走っている感じで氷河期に削りとられた渓谷に牧草地ができ、酪農業が生まれ、その景観をトラストで守ってきた人々がいる。そんな背景を一気に納得させる絶景の連続。途中、30分ほど小さな湖沼際を歩く時間があり、湖水地方のトレッキングを堪能する。羊は出産真っ盛りで生まれたての羊に出会い、僕らよりガイドさんが興奮していた。桜やスモモの花や野草も満開で、野鳥も子育てに活発。ワーズワースが生まれ、育ち、そして愛し暮らした小さな町グラスミアに寄る。昔ながらのレシピを守るジンジャー・ブレッドを買い、アイスも頂く。好天に恵まれ、湖水地方の全体像を把握できた1日だった。
英国トレッキングツアー①~出発は新千歳空港から
■英国トレッキングツアー①~出発は新千歳空港から
4月6日から11日間、英国にトレッキング視察ツアーに行ってきました。トレッキングやウォーキング、自然が好きなで個人旅行を楽しもうという方には少し参考になるかもしれません。1日一編で全17回連載します。
今回の出発は、釧路から自家用車で新千歳空港、そして大韓航空を仁川空港で乗り継いで英国ヒースロー空港へ、国内線に乗り継いでその日の内、とはいえ時差が8時間なので、全行程移動時間は26時間30分でマンチェスターに到着しました。マンチェスターは湖水地方へ2時間ほどの列車でアクセスできる立地とともに、英国の歩く権利がここの労働者が起こした裁判を起点に成立している歩く文化発祥の地です。とりあえず安着にホッ。