「旅のレシピ」カテゴリーアーカイブ

英国トレッキングツアー⑤~湖水地方からコッツウォルズへ

ウイリアム・モリスが英国で一番美しい村と讃えたバイブリーですが、少し観光客に飲まれ気味でした。

旅は湖水地方からコッツウォルズへ。鉄道で4時間半、途中2回の乗換えがあります。切符はネットで事前予約し、確認書をもって駅窓口で切符に交換します。英国は複数の鉄道運営会社があります、乗り継ぎが上手くいくか、昼食をどこで食べるか等々不安がつきまといます。2回目の乗継駅バーミンガムはとても大きなターミナルで大きくイメージが違い、乗換えホームを探すのに一苦労。夕食の調達で駅コンビニで駅弁調達し、やっと列車に飛び乗りました。

複数の鉄道運営会社が網羅する英国。鉄道の旅も快適です。
英国の鉄道は狭い。JR北海道おおぞらより狭い。ただし、2等車しか乗ってません。
バーミンガム駅構内で買った和食駅弁。暖かかったら美味しいのでは。

コッツウォルズの旅は、田舎町の魅力とフットパス散策です。拠点になる町でも数万、1万人前後の中サイズと千人未満の小サイズのマチ、そして数件の集落が点在します。公共路線バスでマチの間を移動するのと、フットパスを歩いて移動というパターンです。最初の街チェルトナムからサイレンセスターの間は唯一、観光バスのような2階建てバスでしたが、それ以外は生活路線バスで、街のお年寄り達や私たちのような旅行者が混在した感じです。コッツウォルズでも人気の田舎町バイブリーやボートン・オン・ザ・ウォーターといった街では田舎町ならではのたたずまいがそれぞれの個性とともに楽しめます。周辺のフットパス散策ものんびりゆったり楽しめるのは、個人旅行の特典です。この日の宿泊地であるローアー・スローターという所は数件の集落でしたが、ボートン・オン・ザ・ウォーターからローアー・スローターまでの5キロほどのフットパスは牧場、森林、小川などをぬってまことにコッツウォルズの魅力を凝縮したようなルートでした。1日で10kほど歩いたのでしたが起伏があまりないので爽快、好天のなか充実の散策でした。

至るところ菜の花畑が黄色に野原を彩ります。2階建てバスからの絶景。
八重桜が満開のチェルトナムの街。18世紀から続く温泉町。
2階建てバスはロンドンだけじゃなく湖水地方にもコッツウォルズにもあり。
ボートン・オンザ・ウォーターはコッツウォルズのベニスといわれる水の街。
街の中を乗馬の連れがゆったりと。車は一時停止。
複数のフットパスの交差点ですがサインはこんな感じ。
さりげなくスモモの木の花のトンネル。名もなきフットパスなんですが!!
フットパスをつなぐ一般道を歩きますが、幹線道路は危険で歩けません。
ローアー・スローターの集落を流れる小川にリュウキンカの花
小川の中洲を行くフットパス。
やっと宿に着いてホッ。この旅で一番のリッチなインでした。

英国トレッキングツアー④~ウインダミア湖は阿寒湖か?

湖岸には大小さまざまな遊覧船をはじめ、ヨットやカヌーが浮かび、湖岸には別荘やホテルが点在

体力調整も兼ねてこの日は、ウォーキングを抑えて湖水地方観光人気のアトラクションを楽しみました。ウインダミア湖の湖上遊覧は多種多彩ですが、40分ほどの湖上遊覧で南岸の船着場から保存鉄道に乗るアトラクションがセットになる半日プランに参加しました。阿寒湖の湖上遊覧に釧網線のノロッコ号がセットになったような感じです。もちろん景観が全然違うのですが、隠れた共通点があります。それはどちらも産業遺産を観光資源に転化したものだということです。産業革命時に大規模な開発が行われた英国で木材やスレート石などの開発資源を船で運び、鉄道を繋いで港から各地に運搬したのがおこりとのこと。阿寒湖の遊覧船も森林資源を阿寒川口まで筏で流送した作業船が昭和初期から観光事業に切り替えた歴史が起源です。釧網線も川湯の硫黄山の硫黄搬出鉄道がルーツです。そんな類似点をおもいながらゆったりとした旅を楽しみ、湖水地方の3日間に別れをつげ、コッツウォルズへの鉄道に乗り込みました。

船着場には水鳥と人が集っています
この船と同型の船にのりました。3層のキャビンがありバーやカフェもあり
オープンデッキも気持ちいい
着岸の船着場にかわいい保存鉄道が待っています。往復30分ほどの鉄道の旅です
給水、燃料補給もアトラクションの一部です
この顔、いいですね。
機関車トーマスをイメージしますがファミリー層が多い

英国トレッキングツアー③~ポターが愛した景観美

ポターが暮らしたニア・ソーリー村、数件の集落に周りは羊の牧草地

ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターがトラストで保存した湖水地方の景観美を堪能する1日。快晴のウインダミア湖を東岸の町から10分ほどで西岸の保存地区に渡る。広がる牧草地に羊の群れが新緑の芝生に映える。ポターの暮らしたヒルトップ農場のあるニア・ソーリー村は絵に描いたような白壁の集落で、桜やモクレン(マグノリア)が満開で、この土地を愛し、保存に尽力した気持ちが伝わる美しさだ。ウインダミア湖は湖水地方の中心的な湖だが東部や北部は観光開発が進み、西部は牧歌的な景観とコントラストをなす。午後は、北部のグラスミアの町に公共バスで移動し、湖水地方でも人気のグラスミア湖とライダル湖の周辺を巡るフットパス散策である。湖岸を歩くルートや少し丘ぞいの丘陵地を巡るルートなどがあり、老若男女、子連れ、犬連れ様々な人々が散策する。湖岸沿いは春採湖の散策路のようで丁度週末であったので国内の自家用車で旅行を楽しんでいる層が一番多いように感じた。約5kmのコースだが最初にルートを間違ってしまい7kmくらいは歩いたようだ。フットパスの入口さえ見つければ道を迷うことはない。夕暮れに隣町のアンブルサイドに着く。この街はスレート石で建物が出来ているので雰囲気がシックなのだが、トレッキングの起点になっているのでアウトドアメーカー(有名な店の専門店)ショップが数店あって、ビックリ。早めの夕食で英国を代表するグルメ、フィッシュアンドチップを賞味。その量に圧倒される。宿泊地のウインダミア湖畔へのバスは2階建て。ロンドンだけではなく、観光地には2階建てバスが普通に走っている。当然、2階に乗車するのだが、これが怖い。道路幅が狭く、街路樹が迫っているとともにバスの形に合わせて刈り込みがされている。このため、立ち上がったり横に手を出したりすると本当の危険なのだ。また、車両速度が日本より全体に20kくらいは速いとおもう。湖水地方を堪能した1日だったが、気を抜くとキケン。

木製キャビンボートで対岸に向かう
ヒルトップ農場にはわが家の庭にもあるルバーブが相当伸びていた
村の周りはこんな景観が続く
湖岸ルートと丘陵ルートがダブルである
犬は放し放題、とにかく犬が幸せそうです
あるだけの道や自転車、乗馬も可能な道など様々なパターンに合わせてサインがある
フットパスの途中にあった大きな洞窟。変化に富んだ自然を楽しむ
ぼっとしているとキケン。走行中ははしゃいではいけない
2人で1人前を食べるタラのフライは下味を付けないでソースや酢をお好みで。

 

英国トレッキングツアー②~なるほどこれが湖水地方

氷河期の後退で削られた渓谷に羊の放牧地がひろがる

いよいよ湖水地方へ。乗り継ぎ駅でローカル線で湖岸の起点駅ウインダミアに到着。午後から地元ガイドの自然ツアーに参加するがその前に腹ごしらえ。衝撃の量に今後の食生活に不安が過ぎる。ミニバスによるツアーは盛んで、日本語の音声ガイドを流しながらガイドさんはゆっくり英語で説明してくれる。お客は私たち2名のみ。阿寒の林道や枝道を走っている感じで氷河期に削りとられた渓谷に牧草地ができ、酪農業が生まれ、その景観をトラストで守ってきた人々がいる。そんな背景を一気に納得させる絶景の連続。途中、30分ほど小さな湖沼際を歩く時間があり、湖水地方のトレッキングを堪能する。羊は出産真っ盛りで生まれたての羊に出会い、僕らよりガイドさんが興奮していた。桜やスモモの花や野草も満開で、野鳥も子育てに活発。ワーズワースが生まれ、育ち、そして愛し暮らした小さな町グラスミアに寄る。昔ながらのレシピを守るジンジャー・ブレッドを買い、アイスも頂く。好天に恵まれ、湖水地方の全体像を把握できた1日だった。

乗換え駅で汽車マチ。駅舎が美しく、野鳥や野うさぎも登場し気分が盛り上がる
このスープのボリューム!二人分を注文したが一人分が残り、ドギーバック(犬用の容器)をもらいこの日の夕食に変身
自然ツアーのワゴン車。ガイドの女性が運転しながら解説。なかなかの難路も。
小さな湖沼周りを散策する
英国の風景画はこんな風景を描くことからはじまった
ここは車も人も歩く道。老若男女が行き交う。
生まれたての羊。へその緒がついてます
ジンジャーブレッドのお店。お客3人ほどで満室の狭さ。ここでしか買えない。
これがジンジャー・ブレッド。日持ちが1週間ほどなので旅行中のおやつ。誠に美味で飽きない美味しさ。
ワーズ・ワースの生家ダウ・コテージ

英国トレッキングツアー①~出発は新千歳空港から

湖水地方は英国の歩く文化とナショナルトラスト発祥の地です

■英国トレッキングツアー①~出発は新千歳空港から
4月6日から11日間、英国にトレッキング視察ツアーに行ってきました。トレッキングやウォーキング、自然が好きなで個人旅行を楽しもうという方には少し参考になるかもしれません。1日一編で全17回連載します。
今回の出発は、釧路から自家用車で新千歳空港、そして大韓航空を仁川空港で乗り継いで英国ヒースロー空港へ、国内線に乗り継いでその日の内、とはいえ時差が8時間なので、全行程移動時間は26時間30分でマンチェスターに到着しました。マンチェスターは湖水地方へ2時間ほどの列車でアクセスできる立地とともに、英国の歩く権利がここの労働者が起こした裁判を起点に成立している歩く文化発祥の地です。とりあえず安着にホッ。