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ふとした縁でいただいたモリスの本

ウイリアム・モリスは19世紀半ば英国で工芸改革運動を推進した工芸家であり、思想家であり、詩人でもあった人。私がはじめてモリスに出会ったのは、『編集必携』というブックデザインの基本的な約束事をまとめた本のなかで、美しい印刷余白の代表パターンでモリスが紹介されていた頁であった。時は流れて、我が家のリフォームでつれ合いが壁紙をモリスのものに変えたい、との希望で調べたところ、あのモリスとこのモリスが同一人物で、英国の機械産業への危機感と、手工芸の復権を生活や表現活動もふくめて運動として実践した人物であるとのこと。さらに柳宗悦など日本の民芸運動にも大きな影響をあたえた。ともわれ、我が家の台所はモリスの壁紙となり、さらに時は流れて、私が退職を期に、現在の凸凹旅行舎を立ち上げるにあたって、自室事務所のリフォームでもモリスの再登場となった。縁は続いて、湿原の案内フィールドである鶴居村ツルワチナイ地区には開拓移住者に長谷川光二一家がいて、この方が自然と人との共生を労働と表現活動をとおして、統合しようとした人物であり、その源流にウイリアム・モリスの影響が大きいと知った。
湿原の自然と格闘しながらも、開拓の厳しい暮らしの中で人間の行き方を模索した長谷川光二は、今では「湿原の聖人」「原野の俳人」「原野の思索家」とも讃えられている。自分のそばにあるものの、真理にふれ、自然と人との関係を見つめた先人のおもいを伝えたい。湿原は深いなぁ、とおもう今日この頃ではある。

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凸凹事務所のモリス壁紙

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こちらは台所を包む柳とザクロの模様