新刊『東蝦夷物産志を読む』が出版されました。

19世紀を目前にロシアからの脅威に対応するため、幕府は東蝦夷地を直接管理にして国土防衛と蝦夷地の開拓に力を注ぐ体制をとります。

そのための現地調査に様々な分野の調査団がやってきます。本草学者渋江長伯を筆頭にした一行34名は、蝦夷地の植物を中心とした学術調査を4か月にわたり行います。その記録は、採集録、草木図、標本等の史料として遺されました。この本は、植物・アイヌ文化・古文書の釧路地方の研究者が集い、7年にわたる史料整理や現地調査などをふまえ、まとめた当時の自然を知る道しるべとなる画期的な図書です。

アイヌ語名として記録された植物の利活用方法などを当時の古文書や史料から読み解き、今日の植物種類と照合し、古の北海道の自然をまとめた植物図鑑です。

草木235種オールカラーで当時の草木図(複写)や標本資料もあわせて紹介しています。是非、私達の身近な植物にも歴史やアイヌ文化をとおしてあらたな発見をしていただければ幸いです。

本書の執筆者である北方植物資料研究会のメンバー。植物、アイヌ語、古文書の研究家たちは足かけ7年にわたる調査研究を経て出版に至った。
北海道新聞(2024.10.4)紹介記事