わが舎の行動食は、オリジナルクッキーとフキのアンジェリカ(砂糖で煮詰めたお菓子)。おかげさまでお客様には大好評。出来るだけ地元素材をと、小麦は江別産と十勝産のブレンド、フキは阿寒で採ったものを使う。このたび、クッキーに使う菜種油を滝川の「なかのファーム」からお取り寄せ。どんな風味をもたらしてくれるか、楽しみ。夢は阿寒のイタヤカエデから採ったメープルシロップを使ってクッキーを作ること。お楽しみはこれからだ!
「凸凹日誌」カテゴリーアーカイブ
「里の道」スペシャルイベントは生涯の記憶に残る2日間であった
阿寒クラシックトレイル「里の道」1泊2日のスペシャルイベントは我が生涯の記憶に残る2日間でした。快晴のトレッキング、旧上徹別小学校の佇まい、ユックオハウとイナキビごはんのアイヌ料理、古老エカシの昔話、カピウ&アパッポのアイヌ音楽ライブ、阿寒の森のマツタケのお吸い物とお粥の朝食等々、どれも極上。特に焚き火を囲んで満天の星の下での語りと音楽では、まさにこの場が昔の飽別コタンであったことを体感。鹿笛を吹いたら闇のなかから応える鹿の鳴き声!焚き火がはねた時、古のコタンの人々が我々の周りを囲んでいたのではとおもった。まさに今昔のライブステージ。
湿原のふしぎ発見
油の幕が赤い水を覆っているように見えますが、これは酸化鉄の皮膜で沈殿すると鉄色のサビのように沈着します。油ではありません。植物や湧き水に含まれている鉄分(水溶性の鉄イオン)を土壌中の鉄バクテリアが酸化し、水酸化鉄に変化させるのだそうです。湿原の周辺はもとより、雌阿寒岳の麓のオンネトー周辺の沼地や、かつて渇鉄鉱の鉱山があった東側を流れるフレベツ川などは鉄色の水に見えます。アイヌ語のフレペツはフレ(赤い)ペツ(川)なのでまさに名のとおり。
釧路湿原の忘れ形見、春採湖を愛でながら六花亭スイーッ
釧路湿原が海面後退期にのこした湖、春採湖は市民の憩いの場であるとともに、国の天然記念物ヒブナの生息地でもある。この春採湖を見下ろす高台に六花亭のパーラーがある。全国の百貨店で開催される北海道観光と物産展のエースといえば六花亭。帯広が本店だが、釧路にもパーラー併設の店舗がある。なかでもこのお店は眺めがいいので人気。私も春採湖を散策し、エネルギーを消費後に禁断のスイーッをいただく。これで大丈夫!
旅の予習、旅の復習。
今年のわが舎の研修旅行は黒部峡谷の水平歩道トレッキング。戦後、日本の電力開発を切り開いた人々の自然との壮絶な格闘の現場である。吉村昭著『高熱隧道』には、その修羅場が見事に活写されている。旅の予習である。
図書館で再読のため『高熱隧道』をさがしていたら、同著者の『ふぉん・しいぽるとの娘』を見つけた。シーボルトは江戸時代、日本の動植物や民俗性を欧州に伝えたドイツ人。今年、没後150年を記念して、ミュンヘンのシーボルトのコレクションが採集元の日本に里帰りする展覧会が東京でおこなわれている。研修旅行に展覧会鑑賞も追加した。シーボルトが紹介した日本の動植物の学名にはシーボルトの名前が付けられているものが多い。先日、バードウォッチャーのお客様を白糠刺牛の海岸にご案内した。ここはアオバトの繁殖地で多くのアオバトが岩礁に海水を飲みにやってくる。この珍しい習性をもつ日本周辺にしか生息しない野鳥の学名Treron sieboldiiにも同氏の名前が記されている。ひょんな巡り会わせから、旅の予習と復習の楽しみがうまれる。