9月1日、雌阿寒岳山麓をフィールドに「キノコ観賞&食事会」が開催されました。野中温泉から湖岸沿いにアカエゾマツの山麓でキノコ、粘菌、コケ類などの観察会が新井文彦さんの解説で約2時間30分おこなわれました。新井さんは阿寒湖温泉の阿寒ネイチャーセンターでガイドをおこなうかたわら、キノコや粘菌の見事な写真や楽しい文章で数々の著作を発刊している人気のキノコ粘菌作家です。当日の私の力作を一挙掲載します。興味のある方はご覧下さい。名前が違う、名前が不明なものが多々あります。ネンキン初心者にご指導下さい。
「凸凹日誌」カテゴリーアーカイブ
グリーンシーズンのタンチョウ
お客さんから「夏にタンチョウが見れると思わなかった」との声をよく聞くので、グリーンシーズンのタンチョウをご紹介します。北海道は通常、11月から4月までの6ケ月はいつ雪が降ってもおかしくないので、冬が半年あることになります。
残りの半年がグリーンシーズンで春(5,6月)夏(7,8月)秋(9、10月)という感じでしょうか。
タンチョウは人工給餌の期間(12月から3月位)は給餌場に百羽以上集まりますし、川をねぐらにし、集団生活を営みます。グリーンシーズンは番(つがい)を核にテリトリーを湿原に形成し、子育てに励みますが、まだペアをつくらない若鳥たちは数羽のグループで生活することになります。
確かに冬よりグリーンシーズンの方がタンチョウを見る確率は下がりますが、そこはガイドの腕の見せ所で、それになりの場所にご案内することになります。夏は道路際の牧草地でもタンチョウがいることがあります。車の運転に気をつけて、是非、グリーンシーズンのタンチョウをあなたもお探しください。
湿原の小さな仲間たち
「見つけた!」とおもったら、あっという間になくなってしまう。そんな湿原を代表する花、3つ。ツルコケモモ(ピンク、世界最小クラスの樹木)、タヌキモ(黄色、食虫植物で袋にプランクトン)、トキソウ(鴇色、ちょっと大振りな花)。 短い夏を精一杯生きる、タヌキモ以外は高層湿原(ミズゴケ)に生息します。じっくり目を凝らして小さな命を見つけてください。
極上の別寒辺牛川カヌーを堪能
静謐な川面に響き渡る野鳥のさえずり。珍客に驚き慌てる水鳥たちの振る舞い。熱いコーヒーと地元スイーツ、そしてガイドの奏でるギターの調べ。花咲線の橋脚ではアカハラの産卵という野生のドラマ。極上の別寒辺牛カヌーを堪能。
凸凹海外研修報告その3(ローマ編)紀元前の道を歩く
我が舎の研修の一貫したテーマがトレッキングである。登山であれ、ハイキングであれ、街なか散歩であれ、著名無名を問わず魅力的なトレッキングを体感し、その魅力をどこかで活かすことがテーマになっている。今回は、長年の夢の一つ、ローマ旧アッピア街道のトレッキングである。最初の造成が紀元前312年といわれ、「すべての道はローマに通ず」の格言をまさしく形にしたものである。”女王の道”とも呼ばれ、現在も現役の道路であるが、随所に古代の遺跡(墓地、祠、標識柱など)が点在し、糸杉と唐笠松の並木の中、一部は静かな散策路、一部は今も激しく車が行き来する生活道路となっている。
我々は古の佇まいがある静かな散策路を約5kmほど歩き、カタコンベという古代からの共同墓地遺跡(洞窟内に3層にわたる遺跡跡を見ることができる)を見学した半日であった。
■どんな道かといえば…
イタリアは南北に細長く、火山があって、温泉があって、家族主義で、かつて独裁国家同士同盟をむすんだこともある同類項の多い国である。アッピア街道は火山岩(玄武岩)を敷き詰めており、もっとも古い部分はごつごつした大き目の石が、時代が近づけば定型の石畳になっている。ローマ旧市街地はこの石畳が太宗で歩くには疲れるし、車に乗っても乗り心地悪いこと夥しい。
さて、アッピア街道は観光地であるが、このアッピア街道を歩こうという人はあまり多いわけではない。個人旅行者(我々もそうだが)は公共交通(地下鉄、バス)を乗り継いで約2時間(待ち時間も入れて)ほどで、歩くポイントに到着、ほぼ直線路なので行って戻る感じのトレッキングとなる。この道を堪能するにはローマや世界の歴史と春採湖一周くらいの体力を身につけていれば楽しめるのだが、特に前者の教養の深浅が極めて重要。ガイド付きツアーだと申し分ないかもしれない。(私たちはカタコンベガイド以外は単独行でした)
■楽しみ方あれこれ
ガイドツアーでも、歩いている最中に出会ったのが、ホーストレッキングと自転車ツアー。石畳の特に古代部分は不整陸路なので自転車は大変だろうとおもい聞いてみると、マウンテンバイクで電動サポートつきであった。確かにこれでないと尻が大変。馬は手綱引きのツアーなので乗馬の魅力ではなく、気分を楽しむ感じと見受けられた。こういう歴史道路は楽しむ教養を自前で身につけるか、ガイドから得るか、いずれにせよ旅の前後の予習復習がたくさんある。これも含めて「旅」なのだが、あの足裏の古代の感触は忘れられない旅の記憶として身体に残るものとなった。