「極東野鳥ノート」カテゴリーアーカイブ

タンチョウの優雅?な離着陸

音羽橋のねぐらから離陸するタンチョウたち。

タンチョウ撮影のお客様と一緒にタンチョウサンクチュアリでにわかカメラマン。タンチョウが2~5羽くらいの単位でねぐらからやってくる。水平飛行の得意な鳥は離着陸が不得意、羽ばたき飛行の得意な鳥は離着陸はいいのだが、飛行距離が稼げないそうだ。なるほど、タンチョウの離着陸は何とも難儀な様子。航空機も離着陸の数分間が危険時間帯だそうで、翼の動きや部位構成は航空機のそれによくにている。
冬の鶴居村は、タンチョウのねぐらで有名な音羽橋からは離陸する姿が、タンチョウサンクチュアリでは着陸する姿が観察できます。離陸は気温の条件によって違うようだが日の出から1時間以内、着陸は給仕時間の午前9時前頃が目安のようです。

給餌場へ接近、水平飛行から着陸準備
向かい風向きに旋回し、風切羽をたてて減速。
脚を出していざ着陸。
急減速して停止。無事着陸。

厳冬の音羽橋にタンチョウが舞う

冬の人気コース、タンチョウのねぐらである鶴居村音羽橋に下見に行ってきました。まだ12月上旬だというのに、この日は車の車外気温メータは-20℃!快晴の日の出の陽光に照らされて3百羽を超えるタンチョウが川霧のなかに浮き上がります。地元のカメラマンも絶好のコンデションとのこと。7時30分頃に群れが飛び上がり橋の上を飛び上がりました。この日、ここに居た50名ほどのカメラマンは傑作をものにしたことでしょう。

稀な冬鳥アメリカヒドリを見に春採湖へ

オオバン(黒い)、ヒドリガモ(頭が茶)に混じってちょっと違う雰囲気

ガイド仲間から春採湖でアメリガヒドリを見た、との情報を得て、さっそく湖岸散策探鳥に出かけた。春採湖は釧路市民のオアシス。市街地に残った氷河期の忘れ形見、海跡湖でもある。海側にある観察小屋(hide)周辺に水鳥が集まっておりヒドリガモ、オオバンの群れの中にちょっと雰囲気の違うのが一羽。アメリカヒドリである。頭が白っぽく、耳羽(じう)が緑色の印象でちょっと大きい感じがする。ほかのヒドリガモと比較すると違いが良く分かる。世界の野鳥の分布域は7区域(旧北区、新北区、東洋区、エチオピア区、オーストラリア区、新熱帯区、南極大陸)に大別される。世界分布が分かる『鳥630図鑑』では、アメリカヒドリの多くは新北区の北米北アメリカ、アラスカで繁殖し、メキシコ中南米寄りで越冬する。日本在住の著名野鳥ガイド、マーク・ブラジルさんの『Birds of East Asia』はアジアエリアに特化した図鑑だが、ロシア極東北部アナディリ湾の渓谷に繁殖地があり、このグループが朝鮮半島、日本、台湾で越冬するとある。
ヒドリガモの名前由来は雄の緋色(ひいろ:やや黄色味のある赤、英語ではスカーレット)の頭部羽色であるが、アメリカヒドリはほぼ白っぽい羽色。群れのなかでポツンと寂しそうにも映るが、そんなのは意に介さず活発に動き回っていた。皆さんも是非どうぞ。

北アメリカ全域がおもな生息域です
日本飛来は、ロシアのアナディリ渓谷で繁殖する少数派
図鑑では♂の耳羽はもっと緑色だ。ハイブリッド(交雑固体)も多いそうだ。
後はヒドリガモ♂、前は同♀。比較してみると
さまざまな水鳥たちが立ち寄る貴重な湖沼
春採湖は探鳥地としても有名。以前はホシハジロの国内唯一の繁殖地だったが…。

これぞ秋の鶴居村!

秋ならではの快晴に阿寒の山並みが美しい
キラコタン岬から湿原も秋の装い
これぞ人と自然が共生する鶴居村の姿
雪裡川の寝床にははや、タンチョウの姿が

晩秋(ちょっと気が早い)の鶴居村を愛知県からいらしたご夫婦を1日ガイドしてきました。この時期、タンチョウが刈り入れ後のデントコーン畑に集まってきていて、冬の寝床で有名な音羽橋にも数羽が居ました。ヨシ原は紅葉の色を深め、チルワツナイ川にはタンチョウの番が餌をついばんでいました。いつもと違うのは遡上するサケの姿を確認できませんでした。記録的不漁が二年連続で心配です。快晴の秋空に雌阿寒、雄阿寒の姿が美しい。その空をヒシクイの編隊が飛んで行きました。

阿寒湖にも夏がやって来ました

ボッケ散策路の山荘広場でエゾリスが朝食中

阿寒湖にも夏がやって来ました。ボッケ散策路を早朝散歩し、街はずれの硫黄山川河口に行ってきました。動植物も子育てや採餌にあわただしい1日のはじまりです。

尻尾の巻き上がり方がなんともキュート
何を食べているんだろう
川でうろうろエゾシカの親子、何しに来たんだろう?
銀色のボディと錆色の羽が美しく川面に映えます。カワトンボ。
カワアイサのファミリー、数えると20羽。抱卵数は8-11個なので…?!