「花鳥風水」カテゴリーアーカイブ

旅の予習、旅の復習。

 

図書館の蔵書は少し古過ぎて…
図書館の蔵書は少し古過ぎて…

今年のわが舎の研修旅行は黒部峡谷の水平歩道トレッキング。戦後、日本の電力開発を切り開いた人々の自然との壮絶な格闘の現場である。吉村昭著『高熱隧道』には、その修羅場が見事に活写されている。旅の予習である。
図書館で再読のため『高熱隧道』をさがしていたら、同著者の『ふぉん・しいぽるとの娘』を見つけた。シーボルトは江戸時代、日本の動植物や民俗性を欧州に伝えたドイツ人。今年、没後150年を記念して、ミュンヘンのシーボルトのコレクションが採集元の日本に里帰りする展覧会が東京でおこなわれている。研修旅行に展覧会鑑賞も追加した。シーボルトが紹介した日本の動植物の学名にはシーボルトの名前が付けられているものが多い。先日、バードウォッチャーのお客様を白糠刺牛の海岸にご案内した。ここはアオバトの繁殖地で多くのアオバトが岩礁に海水を飲みにやってくる。この珍しい習性をもつ日本周辺にしか生息しない野鳥の学名Treron sieboldiiにも同氏の名前が記されている。ひょんな巡り会わせから、旅の予習と復習の楽しみがうまれる。

全国各地で来年まで巡回展が予定されています
全国各地で来年まで巡回展が予定されています
白糠には5月に来て、10月には去っていくとのこと
白糠には5月に来て、10月には去っていくとのこと

我が心の山・斜里岳

モノクロ写真を複写。以久科の実家からいつも見ていた斜里岳
モノクロ写真を複写。以久科の実家からいつも見ていた斜里岳
何かのコンテストで賞をとったなぁ
何かのコンテストで賞をとったなぁ
馬や牛が沢山いて、人間も沢山いて、楽しかった~
馬や牛が沢山いて、人間も沢山いて、楽しかった~

BSフジの「絶景日本百名山」で斜里岳が紹介されていた。案内ガイドが阿寒湖温泉の仲間のガイドさんだったので本筋の興味でない方に集中力が拡散。さて、斜里岳は「我が心の山」といってもいいほど所縁のある山。両親の実家が斜里と清里だったので、幼少から中学生まで私の少年時代の夏休み、冬休みはいつも斜里岳の麓でいとこ達と過ごした楽しい思い出がよみがえる。母方の実家は、以久科(いくしな)という処で、もっとも斜里岳が均整のとれた姿を見せる場所だ。実家は農業で入植したが、家畜商も営み、軽種馬やばんばの馬の生産もしていた。写真は私が高校の写真部時代に撮ったもの、馬の背後に裾野を広げる斜里岳の姿をご覧いただきたい。
社会人になって登山をはじめるようになってから、はじめて斜里岳に登ったのだが、若い時は、暗いうちに釧路を出発し、山に登ってから、以久科海岸(砂浜性の植物の宝庫だった)で海水浴をして、釧路に戻ることもあった。山よし、海よしの斜里です。

斜里岳をガイドする加藤ガイド。在阿寒湖温泉で「一歩園森の案内人」でもあります。
斜里岳をガイドする加藤ガイド。在阿寒湖温泉で「一歩園森の案内人」でもあります。

ゲストを待ちながら

快晴の空にエゾヤマハギが伸びていきます
快晴の空にエゾヤマハギが伸びていきます

お客様との待ち合わせの合間にフォトスケッチ。久しぶりの快晴ですが、数日前の降雨で釧路川は冠水ぎみ。周りの草花は真夏から早くも秋の気配も感じさせる変化。エゾヤマハギやツリガネニンジンなどの赤紫系の花が目に付きます。ノリウツギがちょうど満開で、湿原の林に白い彩をかもし出していました。

アカハナカミキリムシがツリガネニンジンの日陰で一休みの景
アカハナカミキリムシがツリガネニンジンの日陰で一休みの景
この花の名を教えて!
この花の名を教えて!
アリがアブを一所懸命引きずって…
アリがアブを一所懸命引きずって…
細岡カヌーステージョンは舟揚場が冠水
細岡カヌーステージョンは舟揚場が冠水

昼飛ぶのは蝶、夜飛ぶのガ蛾だと…?

ヒメシジミもヒョウモンチョウたちとご一緒に

朝、食卓テーブルの後から庭に出るガラス戸に蝶がとまりました。連れは蛾(ガ)だというので、調べたらカノコガという蛾でしたガ、蝶と蛾の違いは昼飛ぶのは蝶、夜飛ぶのガ蛾だと…。でも明確な区分はないそうで、蝶と蛾は同じ「鱗翅目(りんしもく)」という仲間なんだそうです。身近な鱗翅目に目をむけてみましたガ…。

ホザキシモツケの花に乱舞するヒョウモンチョウの仲間(種類が多くて特定できない!)
ホザキシモツケの花に乱舞するヒョウモンチョウの仲間(種類が多くて特定できない!)
こいつは北海道特産のカバイロシジミとみたが…?!
こういう撮り方も出来るんですね、カノコガ
こういう撮り方も出来るんですね、カノコガ
交尾中で失礼、エゾスジグロシロチョウ
交尾中で失礼、エゾスジグロシロチョウ

世界最高の高山植物群!大雪山凸凹花紀行

いきなりですが、「花よりダンゴ」もあり~!
いきなりですが、「花よりダンゴ」もあり~!

大雪山に高山植物を愛でに行ってきました。この時期、例年、体力トレーニングと高山植物に会いに赤岳から黒岳までの日帰り縦走をします。釧路市街からも高速道路が延伸され、大雪層雲峡まで約3時間で行くことができるようになり、早朝(といっても深夜ですが)に出発、夕方に帰ります。自分の体力と高山植物をほぼ定時観測していますが、体力は大目に見て、ほぼ横ばい、まだまだ大丈夫を確認。今年の高山植物は、とても残雪が多くて、大群落をつくるエゾノツガザクラ、チングルマ、エゾノコザクラが少々遅れ気味で少しさびしい印象でしたが、大雪固有種のホソバウルップソウの開花期にドンピシャで、久しぶりに砂礫地の植物群が満開の花園を堪能しました。いつもトップシーズンで賑わう時期ですが、今年は特に外国人、それも欧州からの方々が目立ちました。いずれもきとっとした装備だったので登山目的なのでしょうが、話をした方々は、皆、大雪の素晴らしさを絶賛していました。そりゃそうですよ、世界最高の高山植物群の「神々の遊ぶ庭(カムイ・ミンタラ)」なんですからね。

2016daisetsu (1)
山麓の草地から高山の砂礫地までさまざなな環境に咲く花を一度に見れる幸せをエゾイチゲで確認
快晴の空にウラジロナナカマドの新緑と白花、遠方に雌阿寒岳の頂
快晴の空にウラジロナナカマドの新緑と白花、遠方に雌阿寒岳の頂
雪がとけて、ショウジョウバカマが花開く春の装い
雪がとけて、ショウジョウバカマが花開く春の装い
私の進化?こんなものにも目が行くようになった。
私の進化?こんなものにも目が行くようになった。
岩場を染めるコマクサの背後には名峰ニペソツが。
岩場を染めるコマクサの背後には名峰ニペソツが。
これが大雪固有種、ホソバウルップソウ。どこまでも続くのやら…
これが大雪固有種、ホソバウルップソウ。どこまでも続くのやら…
残雪豊かな雪原をトラバースしているのはドイツと英国から来た若い女性ハイカーでした
残雪豊かな雪原をトラバースしているのはドイツと英国から来た若い女性ハイカーでした
ヒバリのように岩場でさえずるはビンズイ
ヒバリのように岩場でさえずるはビンズイ
紫色にグランドを染めるはダイセツオヤマノエンドウ、白の彩りはイワウメ。残雪をたたえる北海道最高峰、旭岳。
紫色にグランドを染めるはダイセツオヤマノエンドウ、白の彩りはイワウメ。残雪をたたえる北海道最高峰、旭岳。
手前は中央にイワブクロ、左手にメアカンキンバイ。後に控えますのは北鎮岳。
手前は中央にイワブクロ、左手にメアカンキンバイ。後に控えますのは北鎮岳。