三が日の運動不足解消も兼ねて、釧路湿原初歩きをしてきました。今年は降雪量が少なめでスノーシューでの散策が少々不安でしたが、釧路市湿原展望台周辺の丘陵地は十分な積雪でした。サテライト展望台から湿地帯まで80mほどを下り、湿地帯の際の湧水帯も歩いてきました。タンチョウやオオワシが晴れ渡った空で出迎えてくれました。
「花鳥風水」カテゴリーアーカイブ
身近な野鳥と自然に目をむけて
今年は自分も本を出版した縁なのか、様々な方から贈呈本をいただきます。連れの親戚の方から写真集をいただきました『Kita SiTaURa De ToRiMaSiTa 北下浦でとりました』というタイトルです。著者名が表紙にないので奥付けで確認したら、なんと!ご本人の本でした。義母の姉の息子さんで、母上は今年お亡くなりになり、長い間、介護されていたので連れは義母を連れて神奈川までお見舞いやお墓参りにいっていたので息子さんとも懇意でした。
そんな状況での出版ですから、なおさら驚きました。本を開くと納得。ご自分のおかれている状況のなかで目にする自然(おもに野鳥が中心ですが)を対象に、撮られた写真が著者の生活リズムのように淡々と綴られています。説明文もキャプションもなく、ただ写真から問いかけてくるもの、写真と著者との関係性におもいをめぐらせる純写真の世界とでもいったらいいような素敵な写真集です。写真でひらかれた著者の世界を見させていただきました。
創英社/三省堂書店は大手出版社ですが、自費出版事業もされています。デジタル画像の情報交換の世界ですが、こんなアナログ出版物のあり方もいいですね。
タンチョウの優雅?な離着陸
タンチョウ撮影のお客様と一緒にタンチョウサンクチュアリでにわかカメラマン。タンチョウが2~5羽くらいの単位でねぐらからやってくる。水平飛行の得意な鳥は離着陸が不得意、羽ばたき飛行の得意な鳥は離着陸はいいのだが、飛行距離が稼げないそうだ。なるほど、タンチョウの離着陸は何とも難儀な様子。航空機も離着陸の数分間が危険時間帯だそうで、翼の動きや部位構成は航空機のそれによくにている。
冬の鶴居村は、タンチョウのねぐらで有名な音羽橋からは離陸する姿が、タンチョウサンクチュアリでは着陸する姿が観察できます。離陸は気温の条件によって違うようだが日の出から1時間以内、着陸は給仕時間の午前9時前頃が目安のようです。
厳冬の音羽橋にタンチョウが舞う
冬の人気コース、タンチョウのねぐらである鶴居村音羽橋に下見に行ってきました。まだ12月上旬だというのに、この日は車の車外気温メータは-20℃!快晴の日の出の陽光に照らされて3百羽を超えるタンチョウが川霧のなかに浮き上がります。地元のカメラマンも絶好のコンデションとのこと。7時30分頃に群れが飛び上がり橋の上を飛び上がりました。この日、ここに居た50名ほどのカメラマンは傑作をものにしたことでしょう。
稀な冬鳥アメリカヒドリを見に春採湖へ
ガイド仲間から春採湖でアメリガヒドリを見た、との情報を得て、さっそく湖岸散策探鳥に出かけた。春採湖は釧路市民のオアシス。市街地に残った氷河期の忘れ形見、海跡湖でもある。海側にある観察小屋(hide)周辺に水鳥が集まっておりヒドリガモ、オオバンの群れの中にちょっと雰囲気の違うのが一羽。アメリカヒドリである。頭が白っぽく、耳羽(じう)が緑色の印象でちょっと大きい感じがする。ほかのヒドリガモと比較すると違いが良く分かる。世界の野鳥の分布域は7区域(旧北区、新北区、東洋区、エチオピア区、オーストラリア区、新熱帯区、南極大陸)に大別される。世界分布が分かる『鳥630図鑑』では、アメリカヒドリの多くは新北区の北米北アメリカ、アラスカで繁殖し、メキシコ中南米寄りで越冬する。日本在住の著名野鳥ガイド、マーク・ブラジルさんの『Birds of East Asia』はアジアエリアに特化した図鑑だが、ロシア極東北部アナディリ湾の渓谷に繁殖地があり、このグループが朝鮮半島、日本、台湾で越冬するとある。
ヒドリガモの名前由来は雄の緋色(ひいろ:やや黄色味のある赤、英語ではスカーレット)の頭部羽色であるが、アメリカヒドリはほぼ白っぽい羽色。群れのなかでポツンと寂しそうにも映るが、そんなのは意に介さず活発に動き回っていた。皆さんも是非どうぞ。