塩 幸子
●「荷物は背中に」がモットー
どこに行くにもリュックにしている。どうも荷物を手にすると、右か左に偏りがちになる。
リュックなら背中で左右対称だ。
ウォーキング、スーパーへの買い物、便利だ。私の住む美原では遊歩道が周りをとり囲む。この道を歩けば、車が入ってくることはない。安心して歩けるが困りごともある。自転車だ。音無しで超スピードでいきなり追い越されるとドッキリだ。自転車は遊歩道で、我がもの顔で走る。万が一、追突されたらと思うと冷や汗ものだが、それをリュックがカバーしてくれると信じている。
● 旅では荷物は最低限がモットー
登山以外の旅行の衣類は替え一組と決めている。このスタイルは自分との戦いに負けない意志がカギだ。
旅の1日は歩き通しに近い形となる。特に海外では神経も使うのでクタクタで宿に入る。
シャワーの後はまず洗濯だ。部屋には小さな石鹸が必ず付いている。洗濯物の手洗いはお手のもの。脱水は手とタオルだ。手で絞るだけ絞って、仕上げはタオルで挟んで絞る。部屋付きハンガーを使って干し、翌朝ドライヤーで仕上げて終了。疲れた1日の終わりのこの作業は、強い意志が必要となる。干された洗濯物を見て、深い満足感を得て眠りにつく。
そして何といっても荷物を預けず機内直行が楽だ。リュックはそのために重さ(8キロ)、サイズの制限を守って荷造りする。着陸時もリュックを背に短時間で空港を出られる。ある時、一番の早さで税関のチェック時、荷物検査員に足を止められた。不定期の検査が入ったようだ。何の心配もないがドキドキする。調べ終えた検査員が「少ない荷物で旅慣れていますね」と声を掛けてくれた。ヤッターと思った。
● 旅行計画を楽しむがモットー
本番前に楽しむ。それは重要なことだと思う。山は主に私、海外旅行は主に連れが計画する。だが役割分担は最小として、できるだけ同じように旅行内容を把握することとしている。
楽しさと苦しさが入り混じった旅があった。九州旅行。もう25年余り昔のことになるが9泊10日の春の旅だった。今となっては懐かしさに、連れとこの旅の話に及ぶことが多々ある。
娘は小学生。学校を10日間休んだ。長い休みになるので担任に手紙を書いて、娘に持たせた。
幾日待っても反応がなく、痺れを切らして連絡を入れた。「勉強のことを考えると勧められません」これが返答だった。
娘の荷物は教科書で一挙に増えた。〝ええよぉ、それなら〟という私の考えで、宿に入ってからしっかり娘は毎日時間割通りの勉強をこなした。完全に学校の勉強など忘れて、楽しめなかった。私の小心さが今でもひっかかる。
桜はすでに終了していたが、春の九州はあれもこれもと、一つ一つ笑える思い出を私たちにもたらしてくれた。ただこの旅の計画は連れがたてた。帰宅して旅の順路がうまく思い出せなかった。計画にしっかり参加しなかった反省が残った。
一つ一つの旅を終え、今のスタイルが出来上がってきている。後はもう体力の出来る限りの持続だと思う。