ここ数年、毎年、アルプスの山をトレッキングしています。今年は、上高地から梓川沿いに槍岳に上り、大キレットを通って、穂高連峰までの4日間です。
阿寒クラシックトレイルでは、全長60kmを3つのセクショントレイルに分けて、歩いているので、距離的にはほぼ同じ距離を歩いたことになります。
とはいえ、こちらは日本有数の山岳地帯なので岩山がメインですが、裾野歩きはこれまた魅力的で、「里の道」「川の道」を彷彿させるとともに、ここにも峠越えの古道(徳本峠)がありました。
好天に恵まれ、順調な山行ではありましたが、身体の方は疲労が、素晴らしい山岳景観の記憶とともに色濃く今も残っています。9月27日の「里の道」ウォークも好天を祈るばかりです。開催案内もアップしましたので興味にあるかたは、こちらへ→http://dekoboko.biz/?p=854
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マリモの衝撃映像に、おもわず「へぇ~!」
NHKスペシャル『神秘の球体マリモ~北海道阿寒湖の奇跡』は、見たことのないマリモの生態が可視化された衝撃映像でした。マリモ博士の若菜さんもおもわず「へぇ~」。これまで、マリモの球体化では、波にスイングされて丸くなるイメージでしたが、大阪のたこ焼き状態でその場で回転しながら丸くなるのが、ハイスピードカメラで撮影されたのでした。また、阿寒湖とアイスランドのミーバトン湖は常に、球状マリモが群生する世界の湖といわれてきましたが、ミーバトン湖はほとんど絶滅状態というのも衝撃でした。対岸の工場排水の影響も示唆されていました。球状マリモはヨーロッパの湖沼でもあったそうですが、ことごとく開発の影響で絶滅したそうです。阿寒湖になぜマリモが残ったのか、自然環境が生み出す奇跡と共に、開発を保護に転換し、環境保全に力を注いだ活動も大きく影響しているとおもいます。阿寒の選択の分岐点にあるのが、マリモ祭りです。ツアー案内はこちらへ
ウイリアム・モリスの足跡
ウイリアム・モリスは19世紀半ば英国で工芸改革運動を推進した工芸家であり、思想家であり、詩人でもあった人。私がはじめてモリスに出会ったのは、『編集必携』というブックデザインの基本的な約束事をまとめた本のなかで、美しい印刷余白の代表パターンでモリスが紹介されていた頁であった。時は流れて、我が家のリフォームでつれ合いが壁紙をモリスのものに変えたい、との希望で調べたところ、あのモリスとこのモリスが同一人物で、英国の機械産業への危機感と、手工芸の復権を生活や表現活動もふくめて運動として実践した人物であるとのこと。さらに柳宗悦など日本の民芸運動にも大きな影響をあたえた。ともわれ、我が家の台所はモリスの壁紙となり、さらに時は流れて、私が退職を期に、現在の凸凹旅行舎を立ち上げるにあたって、自室事務所のリフォームでもモリスの再登場となった。縁は続いて、湿原の案内フィールドである鶴居村ツルワチナイ地区には開拓移住者に長谷川光二一家がいて、この方が自然と人との共生を労働と表現活動をとおして、統合しようとした人物であり、その源流にウイリアム・モリスの影響が大きいと知った。
湿原の自然と格闘しながらも、開拓の厳しい暮らしの中で人間の行き方を模索した長谷川光二は、今では「湿原の聖人」「原野の俳人」「原野の思索家」とも讃えられている。自分のそばにあるものの、真理にふれ、自然と人との関係を見つめた先人のおもいを伝えたい。湿原は深いなぁ、とおもう今日この頃ではある。
今年の登山目標は…!?
還暦を前後したここ数年は、体力的にも精神的にも、ちょっと背伸びした登山目標を設定した。私は自然ガイドではあるけど、登山ガイドではありません。登山はあくまで趣味の世界ではあるけれど、動植物や地形などはつながりもあり、興味がつきない。登山は私より連れの方がやる気も力量も上なので、指導を受ける側だが、そうは言っても自分の身体は自分で何とかする原則に従い、地道に、私なりに体力づくりにも励んできた。一昨年は剱岳周辺、昨年は後立山連峰、今年は北アルプス大キレットを9月上旬に予定している。来年は不帰キレットと黒部峡谷をやって、ほぼ目標達成になるのだが…。連れは3千メートル以上で高度障害気味、私はますます体力低下とあって、不安度は増すばかり。というわけでもないが、登山用ヘルメットを購入した。やはり、岩場は落石の危険があるので、必需品との判断。一歩一歩確実に、時間だけはゆとりが出来たので、あせらず、あわてず、目標を達成したいとおもう今日この頃です。
話題のアオバトを見に白糠へ
昔から夏鳥として飛来していたらしいが、白糠の海岸線のアオバトを見てきました。おもったより沢山(おおよそ2,3百羽)のアオバトがひっきりなしに、海岸の岩礁と白糠の後背の森を行き来していました。アオバトは、キラコタン岬や阿寒の森でも声を聞くので、相当な移動範囲をもっているようです。海水を飲む習性があるので、白糠のような、海岸と森が隣接しているところはベストな環境なのかもしれません。フィールドスコープでじっくり観察すると、オスはメスより明るいウグイス色から緑色のバリエーションの中に、オスだけ羽の部分に赤みがかった灰色の部分があります。思った以上に色合いが素敵で、口ばしも明るいブルーで、波が押し寄せる岩礁でわずかなタイミングのなかで海水を飲む様や、カモメやハヤブサの天敵に加え、時には波にさらわれるそうで、その姿に、しばし見とれました。それにしても、なぜ、あんな困難な箇所で海水を飲むのか?もっと安全に飲める箇所もあるだろうに…?不思議なアオバトではあります。阿寒の山本光一さんが白糠道の駅で、ミニ個展をしています。鳥好きの方は是非一度。