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ウイリアム・モリスの足跡

 

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ふとした縁でいただいたモリスの本

ウイリアム・モリスは19世紀半ば英国で工芸改革運動を推進した工芸家であり、思想家であり、詩人でもあった人。私がはじめてモリスに出会ったのは、『編集必携』というブックデザインの基本的な約束事をまとめた本のなかで、美しい印刷余白の代表パターンでモリスが紹介されていた頁であった。時は流れて、我が家のリフォームでつれ合いが壁紙をモリスのものに変えたい、との希望で調べたところ、あのモリスとこのモリスが同一人物で、英国の機械産業への危機感と、手工芸の復権を生活や表現活動もふくめて運動として実践した人物であるとのこと。さらに柳宗悦など日本の民芸運動にも大きな影響をあたえた。ともわれ、我が家の台所はモリスの壁紙となり、さらに時は流れて、私が退職を期に、現在の凸凹旅行舎を立ち上げるにあたって、自室事務所のリフォームでもモリスの再登場となった。縁は続いて、湿原の案内フィールドである鶴居村ツルワチナイ地区には開拓移住者に長谷川光二一家がいて、この方が自然と人との共生を労働と表現活動をとおして、統合しようとした人物であり、その源流にウイリアム・モリスの影響が大きいと知った。
湿原の自然と格闘しながらも、開拓の厳しい暮らしの中で人間の行き方を模索した長谷川光二は、今では「湿原の聖人」「原野の俳人」「原野の思索家」とも讃えられている。自分のそばにあるものの、真理にふれ、自然と人との関係を見つめた先人のおもいを伝えたい。湿原は深いなぁ、とおもう今日この頃ではある。

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凸凹事務所のモリス壁紙
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こちらは台所を包む柳とザクロの模様

今年の登山目標は…!?

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還暦を前後したここ数年は、体力的にも精神的にも、ちょっと背伸びした登山目標を設定した。私は自然ガイドではあるけど、登山ガイドではありません。登山はあくまで趣味の世界ではあるけれど、動植物や地形などはつながりもあり、興味がつきない。登山は私より連れの方がやる気も力量も上なので、指導を受ける側だが、そうは言っても自分の身体は自分で何とかする原則に従い、地道に、私なりに体力づくりにも励んできた。一昨年は剱岳周辺、昨年は後立山連峰、今年は北アルプス大キレットを9月上旬に予定している。来年は不帰キレットと黒部峡谷をやって、ほぼ目標達成になるのだが…。連れは3千メートル以上で高度障害気味、私はますます体力低下とあって、不安度は増すばかり。というわけでもないが、登山用ヘルメットを購入した。やはり、岩場は落石の危険があるので、必需品との判断。一歩一歩確実に、時間だけはゆとりが出来たので、あせらず、あわてず、目標を達成したいとおもう今日この頃です。

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昨年は後立山、鹿島槍の双耳峰を越えて
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一昨年は剱岳、不安に足が震えています

 

話題のアオバトを見に白糠へ

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ひょっとしたら、このスリルを楽しんでいるのでは??

昔から夏鳥として飛来していたらしいが、白糠の海岸線のアオバトを見てきました。おもったより沢山(おおよそ2,3百羽)のアオバトがひっきりなしに、海岸の岩礁と白糠の後背の森を行き来していました。アオバトは、キラコタン岬や阿寒の森でも声を聞くので、相当な移動範囲をもっているようです。海水を飲む習性があるので、白糠のような、海岸と森が隣接しているところはベストな環境なのかもしれません。フィールドスコープでじっくり観察すると、オスはメスより明るいウグイス色から緑色のバリエーションの中に、オスだけ羽の部分に赤みがかった灰色の部分があります。思った以上に色合いが素敵で、口ばしも明るいブルーで、波が押し寄せる岩礁でわずかなタイミングのなかで海水を飲む様や、カモメやハヤブサの天敵に加え、時には波にさらわれるそうで、その姿に、しばし見とれました。それにしても、なぜ、あんな困難な箇所で海水を飲むのか?もっと安全に飲める箇所もあるだろうに…?不思議なアオバトではあります。阿寒の山本光一さんが白糠道の駅で、ミニ個展をしています。鳥好きの方は是非一度。

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センターがオス、周りがメス。偶然の配置。
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飛んでいる様の美しいこと!

小学生と一緒にウチダザリガニ、バスターズ

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茹でると赤に変身!
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確かに信号を送っている感じ
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本日のビック1は125g、6年ものとのこと
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塘路湖にはヒシやエゾミズタデ(写真)の花が満開でした

小学生の夏休み自由研究ツアーにガイドとして同行し、ノロッコ号に乗って塘路湖まで行ってきました。メインはウチダザリガニ駆除体験ということで、特定外来生物のウチダザリガニを捕獲して観察することです。参加者に自由研究のテーマを聞いたら、「絶滅危惧種!」という返事があったので、ウチダザリガニに駆逐されているといわれる絶滅危惧種ニホンザリガニも見れたら、と期待しましたが、こちらは湖ではなく上流河川にいるとのこと。ウチダザリガニの英名はSignal crayfishといって、はさみの付け根が白くて、信号を送っている姿を連想させることから命名されたとのこと。なるほど、確かに…。子どもたちは生き物大好きで、ザリガニに釘付け状態でしたが、外来生物が生態系に及ぼしている影響もわかってくれたかなぁ? 

森のホールで、ご馳走さん。

川湯温泉駅はここ数年ですっかり、新しいカルチャーゾーンに変身した。川湯温泉駅をメインに、雑貨パン、ケーキ&レストラン、骨董品屋など。今日は生活骨董愛好の連れ合いに誘われ、骨董市に。私は、といえば、周辺の植物観察撮影にうろうろし、お目当ては昼食の「森のホール」ランチタイム。いつも地場野菜を使ったセンスのいいランチに、食後のケーキが何とも嬉しい。幼少期、斜里の親戚へ遊びに行く時、川湯駅の駅弁である、しいたけ飯を食べたときの感動を思い出します。食いしん坊にとっては、「ぱなぱな」のパンも定番。どちらも、なんといっても雰囲気と店主やスタッフの感じがいいこと。また行くよ~。

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ランチはセットメニュー2種。これは1080円。旨ぁ!
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ケーキにロゴの刻印がにくいね。