「極東野鳥ノート」カテゴリーアーカイブ

エトピリカに会えた!

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エトピリカはアイヌ語で、エト(くちばし)ピリカ(美しい)。黄色のリーゼントもいかすね。

10年来のつきあいになる香港の友人達と落石のネイチャークルーズに行ってきました。今の時期はなんといってもエトピリカです。繁殖でユルリ島周辺にやってきているのです。
さて、このクルーズを立ち上げたNさんと香港のネイチャーフォト愛好家と私はある縁でつながっておりました。10数年前、道東に英国からのバードウオッチャーを誘致してはいかがか、という話を当時、大手航空会社の英国旅行代理店社長だったNさんがお話に来ました。近年、世界からタンチョウやオオワシを見に多くの外国人が道東にやってきますが、その原動力になったのがNさんでした。根室と釧路の観光関係者や行政が英国の世界最大のバードウオッチングフェスティバルに参加し、その時の最初のパンフレットの表紙を飾ったのが香港の友人の写真でした。国際野鳥ガイドに転進し、落石ネイチャークルーズに多くの外国からのお客様を誘致しているNさんと香港の友人達と縁を振り返りながら海を見つめていたら、エトピリカの番が我々を迎えてくれました。人と人、人と自然の関係も持続可能な関係のためには、相互理解が必要ですね。

新緑の釧路川を川下する幸せ

IMG_1339 IMG_1324阿寒の仲間と新緑の釧路川を川下りしてきました。塘路湖から細岡カヌーステーションまでの中流域です。塘路湖から阿歴内川を経由するのですが、桜木紫乃さんの『凍原』の死体発見現場が阿歴内川だったので、いつにない感慨がありました。そんな超個人的事情はさておき、柳や広葉樹の芽吹きと地味だけど味わい深い花を見ながら、川からだと野鳥も鹿もあまり逃げないで、さえずりの姿を見せてくれました。空を見上げれば、オジロワシが悠然と舞い、そこを併走するようにイワツバメ、クロスするようにアオサギが飛んでいきます。まさに、東西南北、冬と夏の交差点を見る重いです。途中に休憩で、コーヒーとスコーンでティータイム。近くにアオジ、遠くにカッコウを聴きながら、至福の時でした。

春の阿寒らしいバードウォッチングといえば…

野鳥観察が趣味の釧路のお客様を案内するため、事前下見で阿寒へ。草原から川沿いに国道を北上し、林道を通って阿寒湖温泉までのバードウォッチングと野草観察。エゾヤマザクラは、阿寒本町周辺ではほぼ終わっていたが、湖畔ではまだ健在。標高差約4百mの違いは大きい。さて、草原のタンチョウに見ほれ、川沿いにはいつものカワガラス、ちょっと意外なカワアイサのつがい、山道ではエゾライチョウとミヤマカケスが何を捜しているのやら…。写真にはならなかったけど、小心者のヤマセミにも久しぶりに会えて、春の阿寒らしい主役級が揃ったバードウォッチングでありました。本番でもこのくらい登場してくれたらありがたい。

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貯食先がミヤマカケス
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林道を悠々とエゾライチョウ♂
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つがいではなく、親子かな?でも…。
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つっぱりの若夫婦カワアイサ
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いつでも登場、カワガラス

クマゲラを探して

どんな舟を造るのか
こんなに豪快な巣穴もめずらしいのでは。トドマツの傾きもこのせいでは?!(阿寒川筋、4月上旬)

阿寒を代表する野鳥のひとつにクマゲラがいる。
温泉街に隣接するボッケ自然探勝路は手軽に自然に触れることのできる散歩道だが、そのアクセスの簡便さに比して、阿寒の自然の魅力が凝縮された散歩道である。この散歩道のトドマツを採餌木とするクマゲラを見かけることがある。どこか山奥で必死になって探すというより、ドラミングの音をたよりに、アッ、ここに居たのという雰囲気である。ボッケ自然探勝路はホテルから歩いて5分、とても身近な散策路で、地域の方々も朝の散歩に使うポピュラーな散歩道だが、実に噛み応えのある道だ。豊富な植物群、湖と森林が織り成す景観、クマゲラをはじめ、年中、野鳥が観察できる。貴方も是非どうぞ。その時は、期待しないでさりげなく、が宝に出会える可能性が高いように感じるのだが…。

根室にハイドを見に行く

根室の国際野鳥ガイドの新谷さんを中心にすすめられているハイド(観察小屋)づくりを見学に根室へ。とはいえ、この時期は冬鳥、夏鳥が交錯する鳥好きには魅力の季節。現在、根室には明治公園、市民の森、ノサップ岬、温根元、東梅の5つのハイドがある。人には寒さよけ、鳥には人よけ、ともにハッピーなハイド(hide:隠れるという意味)だが、野鳥観察には国際標準の施設である。一つ一つ、お互いに安心して観察できる施設ができればとおもいながら、シャッターを切りました。

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ミヤコドリだ!(春国岱)
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ノサップハイドでシノリガモじっくり
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根室港でウミネコまったり
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国際野鳥ガイドの新谷さん。温根元ハイドでバッタリ。