川湯温泉駅はここ数年ですっかり、新しいカルチャーゾーンに変身した。川湯温泉駅をメインに、雑貨パン、ケーキ&レストラン、骨董品屋など。今日は生活骨董愛好の連れ合いに誘われ、骨董市に。私は、といえば、周辺の植物観察撮影にうろうろし、お目当ては昼食の「森のホール」ランチタイム。いつも地場野菜を使ったセンスのいいランチに、食後のケーキが何とも嬉しい。幼少期、斜里の親戚へ遊びに行く時、川湯駅の駅弁である、しいたけ飯を食べたときの感動を思い出します。食いしん坊にとっては、「ぱなぱな」のパンも定番。どちらも、なんといっても雰囲気と店主やスタッフの感じがいいこと。また行くよ~。
「凸凹日誌」カテゴリーアーカイブ
湿原、真夏の風景
7月も中旬を過ぎて、涼しい道東も真夏の季節を迎えました。関西圏からのお客様をキラコタン岬に案内する機会が多いのですが、2,3日、日を空けただけでも夏色が深まっていくのを実感します。オオウバユリが満開になりました。アイヌにとって、鹿、鮭のタンパク源と山菜・キノコ、そしてオオウバユリの根のでんぷん質が主食だったそうです。1家族、年間8千株を採取したとの調査もあります。今でもこの時期は道路縁でも見かけることがありますが、その昔はどれほどあったのでしょうか。おもわず想像してしまいます。
いつもバスを迎える、鶴見台からは、7羽の若いタンチョウが餌を探しておりました。背後のシラカバとカラマツ、そして手前の牧草地が生み出す、緑のコントラストが道東の夏っぽい色あいではないでしょうか。
今日は、トンボや蝶の活動も活発で、ササの葉にとまった、ホンサナエとミドリヒョウモンをゲット。明るい茶色としっくな濃紺の中のコバルト色がいいですね。
トンボ目とチョウ目を鍛える日々です。
夏になり湿原に足を運ぶ回数が増えています。この時期は、野草の開花に目を奪われると共に、これまであまり気に留めていなかった、蝶やトンボの活動が気になるようになりました。
特にトンボは釧路湿原を特徴づける生き物の一つで、北方系や南方系(これ自体も新鮮な表現ですが…)のトンボ41種が生息しています。先日、案内した本州の高校生のなかに、トンボ博士がいて、名前の分からない、イトトンボの仲間をすばやく発見し、エゾアオイトトンボと教えてくれました。本当にお客さんから教えられることも多い、新人自然ガイドです。それからというもの、すっかりトンボや蝶に目がいく毎日です。きのこ写真家の新井文彦さんによると、キノコを探す目線、つまり、きのこ目の鍛錬が重要とのこと。トンボ目や蝶目、きのこ目も鍛えねば、とおもう今日この頃です。
氷河期から生き残った花々が満開になりました
約2万年前の最終というか、最新というか、氷河期だった地球は今より水位は約100m、気温も約10度も低かったそうな。シベリアとは陸続きで大陸から動物や植物、そして人も渡って北海道に来たそうな。その後、地球は温暖化して、北海道に取り残された生き物を遺存種というそうな。
…ってなことを、湿原の遺存種(レリック)の花たちが満開を迎える温根内木道で修学旅行生に解説しながら、あたらめて、厳しい自然環境を生き延びてきた可憐な花たちの生命力におもいをはせておりました。ハナタネツケバナは1970年代に発見命名されました。つい最近です。それにしては結構な量が咲いているのですが、発見当時から比較すると個体数が増加しているようです。また、ミツガシワも、群生している場所が移動しているようです。数万年のドラマと共に、ほんの数年の間にもドラマがひそんでいるようです。
阿寒ブックフェアで『阿寒に果つ』にびっくり!
釧路が本社で今や全国に展開する大手書店のコーチャンフォーとタイアップした阿寒ブックフェアが全道6店舗で開催しました。
今年で阿寒国立公園が指定80周年を迎えるため、我々の仲間で進めている阿寒クラシックトレイルのイベントをもっと幅広くPRする方法はないか、と検討の結果、本と旅をつなげたPRとしてブックフェアが発案されました。
皆で阿寒関連の本をリストアップしたところ、K子さんが真っ先に出したのが渡辺淳一の『阿寒に果つ』。釧路市街地出身の私には、阿寒湖温泉とこの小説のつながりは、あまりピンとこないのだけれども、地元の人にとっては結構、身近な記憶深い印象を残しているようでした。
未読だったので、さっそく読みはじめたところ、主人公の自殺箇所を知ってビックリ。今年の冬、そのK子さんに誘われていった旧釧北峠の中腹でした。その時は、松浦武四郎が阿寒湖から網走に向かったルートとしてのおもいしかなく、『阿寒に果つ』はノーマーク。
買って、読んで、行く。このフェアの目的そのもので、いろいろな阿寒文化に触れて、阿寒の現地にいって、その魅力を再発見してほしいとのおもいが、阿寒を愛してやまないK子さんには自然とそなわっていたのかもしれません。恐るべしK子!
貴方も、是非、ブックフェアに足を運んで、貴方ならではの阿寒を再発見してください。