阿寒クラシックトレイル「里の道」1泊2日のスペシャルイベントは我が生涯の記憶に残る2日間でした。快晴のトレッキング、旧上徹別小学校の佇まい、ユックオハウとイナキビごはんのアイヌ料理、古老エカシの昔話、カピウ&アパッポのアイヌ音楽ライブ、阿寒の森のマツタケのお吸い物とお粥の朝食等々、どれも極上。特に焚き火を囲んで満天の星の下での語りと音楽では、まさにこの場が昔の飽別コタンであったことを体感。鹿笛を吹いたら闇のなかから応える鹿の鳴き声!焚き火がはねた時、古のコタンの人々が我々の周りを囲んでいたのではとおもった。まさに今昔のライブステージ。
「旅のレシピ」カテゴリーアーカイブ
旅の予習、旅の復習。
今年のわが舎の研修旅行は黒部峡谷の水平歩道トレッキング。戦後、日本の電力開発を切り開いた人々の自然との壮絶な格闘の現場である。吉村昭著『高熱隧道』には、その修羅場が見事に活写されている。旅の予習である。
図書館で再読のため『高熱隧道』をさがしていたら、同著者の『ふぉん・しいぽるとの娘』を見つけた。シーボルトは江戸時代、日本の動植物や民俗性を欧州に伝えたドイツ人。今年、没後150年を記念して、ミュンヘンのシーボルトのコレクションが採集元の日本に里帰りする展覧会が東京でおこなわれている。研修旅行に展覧会鑑賞も追加した。シーボルトが紹介した日本の動植物の学名にはシーボルトの名前が付けられているものが多い。先日、バードウォッチャーのお客様を白糠刺牛の海岸にご案内した。ここはアオバトの繁殖地で多くのアオバトが岩礁に海水を飲みにやってくる。この珍しい習性をもつ日本周辺にしか生息しない野鳥の学名Treron sieboldiiにも同氏の名前が記されている。ひょんな巡り会わせから、旅の予習と復習の楽しみがうまれる。
「月刊 旅行読売」のエコツーリズム特集に釧路湿原散策紹介
世界最高の高山植物群!大雪山凸凹花紀行
大雪山に高山植物を愛でに行ってきました。この時期、例年、体力トレーニングと高山植物に会いに赤岳から黒岳までの日帰り縦走をします。釧路市街からも高速道路が延伸され、大雪層雲峡まで約3時間で行くことができるようになり、早朝(といっても深夜ですが)に出発、夕方に帰ります。自分の体力と高山植物をほぼ定時観測していますが、体力は大目に見て、ほぼ横ばい、まだまだ大丈夫を確認。今年の高山植物は、とても残雪が多くて、大群落をつくるエゾノツガザクラ、チングルマ、エゾノコザクラが少々遅れ気味で少しさびしい印象でしたが、大雪固有種のホソバウルップソウの開花期にドンピシャで、久しぶりに砂礫地の植物群が満開の花園を堪能しました。いつもトップシーズンで賑わう時期ですが、今年は特に外国人、それも欧州からの方々が目立ちました。いずれもきとっとした装備だったので登山目的なのでしょうが、話をした方々は、皆、大雪の素晴らしさを絶賛していました。そりゃそうですよ、世界最高の高山植物群の「神々の遊ぶ庭(カムイ・ミンタラ)」なんですからね。
阿寒国際ツルセンターの夏はビオトープで野鳥三昧
阿寒国際ツルセンターの館長、河瀬幸さんの写真展『小さな湿原ビオトープ』を阿寒湖畔の奏の森ギャラリーで見てきました。普段は冬のタンチョウの給餌場として有名なツルセンターですが、近年、このビオトープが夏鳥や留鳥の楽園として脚光を浴びています。河瀬さんの写真はいずれも野鳥へのあたたかい眼差しが感じられるものです。キャプションにも文筆家でもある彼女の素敵な一文が添えられ、英訳もついています。私はここでヤマセミとカワセミを同時に見る幸運に恵まれました。ちょうど阿寒川の中流域と下流域の結節点なんですね。写真にもあるキセキレイとセグロセキレイも同時に見れます。また、お邪魔します! 写真展は6月29日まで、皆さんもビオトープによってから湖畔に行くと一層ライブ感が増しますよ。