新規カテゴリーに「凸凹フェノロジーカレンダー」を設けます。フェノロジーカレンダーは日々の自然の移ろいを動植物で示すものですが、気象庁も動植物を季節変化の指標にする項目を大幅に削減。地球温暖化も進み、ここ道東の季節感も少しずつ変化しているようです。皆様も身の回りの自然の変化をこのコロナ禍のなか、ちょっと注意深く愛でるのもいかが? というわけで随時、アップします。
1回目はカモメ。
「カモメは飛びながら唄を覚え、人は遊びながら年老いていく」
寺山修司の確かコマーシャルに使われたキャッチコピーです。カモメは日本では約10種類ほど観察されるので、このカモメはどのカモメなんでしょう? きっと寺山は下北出身だから、旅人の心情を託したとすれば旅鳥のユリカモメあたりか。それとも八戸の蕪島が大繁殖地のウミネコかしら?
ちなみに東京都の鳥<みやこどり>は種名ミヤコドリ(上写真)とは違い、ユリカモメ(フロント写真)のことです。ユリカモメは夏になると頭が真っ黒になって、これが同じ鳥かとおもいます。仮面カモメで演劇的なので寺山寄りです。
冬はカモメ観察の季節。冬鳥として渡ってくるシロカモメやワシカモメなどもいて港に魚が揚がる時などは複数種のカモメが観察できます。でも違いは微妙なので、そこが渋い。
我々に一番馴染みがあるのはオオセグロカモメ。一年中居る留鳥で数も一番多いです。このオオセグロカモメも夏と冬では少し変化します。冬は頭部が白というよりごま塩風の雰囲気。これに加え、大型のカモメは成長になるのに4シーズンほどかかるので、成長過程でも羽色や嘴、足の色が変化するのでこれまた渋い。
オオセグロカモメは気が強くて、ずうずうしいので、さしずめ「陸のヒヨドリ、海のオオセグロカモメ」といった態度がデカい野鳥両横綱。でも、ヒヨドリもオオセグロカモメも生息域が日本周辺と周辺アジア地域だけなので欧米からのバードウォッチャーには喜ばれる、ガイドにはありがたい鳥ではあります。
ちょっと困った人だけど付き合ってみるとなかなか味がある、そんな感じ?