「見つけた!」とおもったら、あっという間になくなってしまう。そんな湿原を代表する花、3つ。ツルコケモモ(ピンク、世界最小クラスの樹木)、タヌキモ(黄色、食虫植物で袋にプランクトン)、トキソウ(鴇色、ちょっと大振りな花)。 短い夏を精一杯生きる、タヌキモ以外は高層湿原(ミズゴケ)に生息します。じっくり目を凝らして小さな命を見つけてください。
極上の別寒辺牛川カヌーを堪能
静謐な川面に響き渡る野鳥のさえずり。珍客に驚き慌てる水鳥たちの振る舞い。熱いコーヒーと地元スイーツ、そしてガイドの奏でるギターの調べ。花咲線の橋脚ではアカハラの産卵という野生のドラマ。極上の別寒辺牛カヌーを堪能。
凸凹海外研修報告その3(ローマ編)紀元前の道を歩く
我が舎の研修の一貫したテーマがトレッキングである。登山であれ、ハイキングであれ、街なか散歩であれ、著名無名を問わず魅力的なトレッキングを体感し、その魅力をどこかで活かすことがテーマになっている。今回は、長年の夢の一つ、ローマ旧アッピア街道のトレッキングである。最初の造成が紀元前312年といわれ、「すべての道はローマに通ず」の格言をまさしく形にしたものである。”女王の道”とも呼ばれ、現在も現役の道路であるが、随所に古代の遺跡(墓地、祠、標識柱など)が点在し、糸杉と唐笠松の並木の中、一部は静かな散策路、一部は今も激しく車が行き来する生活道路となっている。
我々は古の佇まいがある静かな散策路を約5kmほど歩き、カタコンベという古代からの共同墓地遺跡(洞窟内に3層にわたる遺跡跡を見ることができる)を見学した半日であった。
■どんな道かといえば…
イタリアは南北に細長く、火山があって、温泉があって、家族主義で、かつて独裁国家同士同盟をむすんだこともある同類項の多い国である。アッピア街道は火山岩(玄武岩)を敷き詰めており、もっとも古い部分はごつごつした大き目の石が、時代が近づけば定型の石畳になっている。ローマ旧市街地はこの石畳が太宗で歩くには疲れるし、車に乗っても乗り心地悪いこと夥しい。
さて、アッピア街道は観光地であるが、このアッピア街道を歩こうという人はあまり多いわけではない。個人旅行者(我々もそうだが)は公共交通(地下鉄、バス)を乗り継いで約2時間(待ち時間も入れて)ほどで、歩くポイントに到着、ほぼ直線路なので行って戻る感じのトレッキングとなる。この道を堪能するにはローマや世界の歴史と春採湖一周くらいの体力を身につけていれば楽しめるのだが、特に前者の教養の深浅が極めて重要。ガイド付きツアーだと申し分ないかもしれない。(私たちはカタコンベガイド以外は単独行でした)
■楽しみ方あれこれ
ガイドツアーでも、歩いている最中に出会ったのが、ホーストレッキングと自転車ツアー。石畳の特に古代部分は不整陸路なので自転車は大変だろうとおもい聞いてみると、マウンテンバイクで電動サポートつきであった。確かにこれでないと尻が大変。馬は手綱引きのツアーなので乗馬の魅力ではなく、気分を楽しむ感じと見受けられた。こういう歴史道路は楽しむ教養を自前で身につけるか、ガイドから得るか、いずれにせよ旅の前後の予習復習がたくさんある。これも含めて「旅」なのだが、あの足裏の古代の感触は忘れられない旅の記憶として身体に残るものとなった。
凸凹海外研修報告その2(スペイン編)市場飯の魅力
■市場飯の魅力
エコノミーな旅行者である私たちにとって宿泊は立地優先である。駅や観光地に近い、安宿を探すのがポイント。バルセロナは市内最大のサン・ジョゼッペ市場に歩いて3分の好立地。市場で昼食、夕食、お買物を楽しんだ。この市場、和商市場と同じく市民と観光客が入り乱れ、店舗や飲食店が混在し、その規模は和商の約2、3倍。お客は4、5倍という盛況。港町の市場となれば、海鮮が旨くない筈はなく、我々の腹にも懐にも優しかった。食材を愛で、食べたいものを選択し、しかも旨くて安いというのが市場飯の極み。マドリッドでもサン・ミゲル市場(こちらは飲食店メイン)に行ったが、スペインはタパス(小皿料理)という伝統的な陳列選択型飲食店が多く、美味しいものにありつけるハードルが低い。食材はざまざまだが海鮮は魚種が重なるものもあって興味深かった。なかでもカキは人気の食材だったが、これは厚岸のほうが値段も見た目も、おそらく味も(食べなかったので)厚岸に軍配が上がる。
和商市場の関係者には是非、バルセロナの市場を視察していただきたい。随所に可能性が広がるとおもう。世界の観光客はこんなところが大好きなんだ、ということを体感できるはずである。ここでは印象的なホスピタリティにであった。市場飯というと何か荒々しさも魅力だが、ここで食べたカウンターレストランの兄さん(風情の印象)は、ちゃんと日本メニューと片言の日本語、そして的確なお勧め料理提案、にこやかな笑顔、判りやすい清算、どれをとっても申し分ないホスピタリティであった。日本人のホスピタリティが賞賛されるが、これは個別具体的なものなので、私も含め観光客に接する人々には、いつでもどこでも参考にしたい自戒テーマである。
凸凹海外研修報告その1(スペイン編)ガウディ恐るべし
開業以来毎年2回ずつ国内外の観光地を視察している。「遊びじゃないの?」という声も聞こえるが、研修なんである。報告もし、成果も仕事に反映しなければならない。まあ、旅行者の立場で仕事を再点検する意味では、遊びの気分も大切ではある。
さて、今回はスペインとはいってもバルセロナ、マドリッドの二大都市とイタリア、ローマの8泊10日間の旅であった。類比的に考えるタイプなので、バルセロナで言えば、共通項である港町を軸に、ガウディ建築物(毛綱建築物)、サン・ジョゼッペ市場(和商市場)、地中海海鮮料理(太平洋海鮮料理)なんかが比較項目になってくる。
■建築物や街並みの魅力
アール・ヌーボー(新しい芸術活動)の時代にフランスやスペインで活躍した、芸術家たちのなかでアントニオ・ガウディは最も著名な建築家だとおもう。いうまでもなくサクラダ・ファミリア教会の設計者かつ施工者でもあるが、ガイディは工期途中で不慮の死(交通事故)でなくなり、かつ設計図も戦争中に消失したので現在は継承者たちが2026年の完成を目指して試行錯誤しているそうだ。ガウディ建築物は有名なもの(世界遺産に指定されているような)だけでも5棟くらいあって、その他の建築家たちの作品が街中にあって、相当奇抜なものも多いが街の景観に溶け込んでいるところが凄い。はっきり言えば、これはバルセロナのオンリーワン観光素材なので、比較するものもないが、釧路にもポストモダンの建築家で郷土出身の毛綱毅曠(故人)がいる。大小あわせれば10棟ほどの毛綱建築物が市内に点在している。
一朝一夕に街並み景観を形成することは不可能だが、地道な積み重ね、つまり街の歴史を語る活きた素材が建築物や街並みのアイテムである。その方向性は大切に市民共有したいものである。