凸凹旅行舎ガイド研修記② 木曾路で体感した温故知新、妻籠はどうなる?!

石畳の整備と石碑の標識
石畳の整備と石碑の標識

凸凹旅行舎ガイド研修は、恐怖の黒部峡谷「下の廊下」から移動し、中山道木曽路の歴史トレッキングルートを馬籠宿から妻籠宿までウォーキング。人気のコースを視察し、阿寒クラシックトレイルで行っているトレッキングの参考になるヒントを見つけ出すのが目的であった。まず驚いたのが、外国人特に欧州のお客さんの多いこと。約8kほどのトレッキングだったがコース上であったのはほとんどが外国人(日本人は我々と女性2名組みのみ)。また、中華系の方をほとんど見かけなかった。歩く文化は欧米指向か? さて、コースは、ほどよく整備され、県道と交差しながら杉や竹林の木立の中、小川の流れとともに歩き、時には滝やお休み処も設置されている等、歩く側からするととても心地よく日本の自然と歴史文化を体感できる。

手前は英語版、奥は日本語の木曽路MAP
手前は英語版、奥は日本語の木曽路MAP

また、熊よけの鈴やトイレが随所に設置されており、安心して歩くことができた。外国人向けには木曽路全コースを網羅したMAPパンフが無償配布されており、これなら日本を味わいながら安心して散策できるな、と感心しきり。さて、コースの中ほどに古民家を使ったお休み処があり、お茶や小梅の焼酎付け、漬物、柿などを無償で振舞ってくれた。管理人のおじさんは片言の英語で外国人にも接待、木曽節も披露。おかげで私は英会話の実践トレーニングも出来た。こんなおもてなしは旅の記憶として木曽路を強く印象付けるものになるとおもった。私たちは、あこがれの妻籠宿に1泊した。全国の伝統的な町並み保存運動の先導となり、明治初年の旧宿場の景観保存と復元作業をおこなった妻籠には厳しい規制ゆえか、日常の生活用品を購入する店舗がないので、昔にタイムスリップしたようだが生活臭というのも感じない寂しさがあった。老夫婦の民宿にお世話になったが、体調のおもわしくないご夫婦は、いつ宿を閉じるかわからないと話していた。同じ街道筋の奈良井宿(数年前に訪問)では、新旧の機能を取り入れたまちづくりを指向しており、若い人の店舗も多く活気があった。観光地として再生した妻籠宿の今後はどうなるのであろう。旅人も高齢化するが、観光地も高齢化するのである。旅人は一方で国際化により若返るが、観光地のまちづくりは保存と創造のバランスシートのなかで地域の持続可能性を検証し続ける運動なのだとあらためて実感した。

馬籠宿からスタート、妻籠より街道整備が新しい。
馬籠宿からスタート、妻籠より街道整備が新しい。
馬籠峠から下り道です
馬籠峠から下り道です
熊よけの鈴、随所にあるが熊の気配はなかった
熊よけの鈴、随所にあるが熊の気配はなかった
みんな欧米からの若者たち
みんな欧米からの若者たち
県道が交差しながら散策路がある
県道が交差しながら散策路がある
お休み処では無償(募金箱はある)で、素朴なおもてなし
お休み処では無償(募金箱はある)で、素朴なおもてなし
木曽節を披露してくれたホスピタリティ満点のおじさん
木曽節を披露してくれたホスピタリティ満点のおじさん
中間ほどに男滝と女滝がある、なかなかのスケール
中間ほどに男滝と女滝がある、なかなかのスケール
随所にある屋外トイレ
随所にある屋外トイレ
妻籠宿は中高年の日本人で賑わっていたがこの層は街道は歩かない
妻籠宿は中高年の日本人で賑わっていたがこの層は街道は歩かない