湿原、真夏の風景

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若いタンチョウが合コンしてるって、いった旅人がいました。

7月も中旬を過ぎて、涼しい道東も真夏の季節を迎えました。関西圏からのお客様をキラコタン岬に案内する機会が多いのですが、2,3日、日を空けただけでも夏色が深まっていくのを実感します。オオウバユリが満開になりました。アイヌにとって、鹿、鮭のタンパク源と山菜・キノコ、そしてオオウバユリの根のでんぷん質が主食だったそうです。1家族、年間8千株を採取したとの調査もあります。今でもこの時期は道路縁でも見かけることがありますが、その昔はどれほどあったのでしょうか。おもわず想像してしまいます。
いつもバスを迎える、鶴見台からは、7羽の若いタンチョウが餌を探しておりました。背後のシラカバとカラマツ、そして手前の牧草地が生み出す、緑のコントラストが道東の夏っぽい色あいではないでしょうか。
今日は、トンボや蝶の活動も活発で、ササの葉にとまった、ホンサナエとミドリヒョウモンをゲット。明るい茶色としっくな濃紺の中のコバルト色がいいですね。

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揃って満開!
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それぞれ無関心を装って、2ショット。

 

トンボ目とチョウ目を鍛える日々です。

夏になり湿原に足を運ぶ回数が増えています。この時期は、野草の開花に目を奪われると共に、これまであまり気に留めていなかった、蝶やトンボの活動が気になるようになりました。
特にトンボは釧路湿原を特徴づける生き物の一つで、北方系や南方系(これ自体も新鮮な表現ですが…)のトンボ41種が生息しています。先日、案内した本州の高校生のなかに、トンボ博士がいて、名前の分からない、イトトンボの仲間をすばやく発見し、エゾアオイトトンボと教えてくれました。本当にお客さんから教えられることも多い、新人自然ガイドです。それからというもの、すっかりトンボや蝶に目がいく毎日です。きのこ写真家の新井文彦さんによると、キノコを探す目線、つまり、きのこ目の鍛錬が重要とのこと。トンボ目や蝶目、きのこ目も鍛えねば、とおもう今日この頃です。

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ヨツボシトンボ、どこでも登場。
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尾っぽの黒味がすくないシオヤトンボ♂
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羽を広げたらコムラサキだった!
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エゾシロチョウか、エゾスジグロシロチョウか?
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麦藁帽子に???トンボ、夏だねぇ

 

新緑の阿寒クラシックトレイル「山湖の道」を歩きました

新緑のなか、阿寒クラシックトレイルの「山湖の道」を歩くイベントを実施しました。山湖の道は、阿寒クラシックトレイル全行程60kmの最後の山越えの道(約10km)です。昭和初期に阿寒湖畔と釧路の間に自動車が走るようになるまで、阿寒湖畔へは歩いて、又は馬に乗ってこの峠を越えました。「山湖の道」は前田一歩園の許可を得て、林道を歩きます。原生の雰囲気をとどめるイタルイカから、植樹の森を経て、湖水の島巡り、そして最後はまち歩き。写真で雰囲気をお伝えします。

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さあ、出発です。(イタルイカ)
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湧き水で一休み、旨い!
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松浦武四郎やアイヌ地名を解説
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アイヌ伝統料理ユックオハウ(シカ汁)で腹ごしらい
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ムックリとウポポ(唄)の演奏でほっこり
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まさに新緑の古道を歩きます
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マリモ展示観察センターでしばらくぶりにマリモに対面
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最後はアイヌコタンで締め。武四郎の宿泊地もこのあたり。

釧路湿原、阿寒・摩周の2つの国立公園をメインに、自然の恵が命にもたらす恩恵を体感し、自然環境における連鎖や共生の姿を動植物の営みをとおしてご案内します。また、アイヌや先人たちの知恵や暮らしに学びながら、私たちのライフスタイルや人生観、自然観を見つめ直す機会を提供することをガイド理念としています。