中標津の養老牛温泉に旧友たちと1泊。ヌクヌクのロビーからバードテーブルに集まってくる野鳥たちを観察しました。翌日は摩周湖外輪のスノーシューハイク。晴天の中で野生の息吹と雄大な道東の景観を一望できました。
「旅のレシピ」カテゴリーアーカイブ
SLからDLに変更された「冬の湿原号」
車輪に傷が見つかり機関車がディーゼルに変更。今日から最後の運行日まですべて「SL冬の湿原号」が「DL冬の湿原号」になってしまった。車内は日本人と外国人が半々くらいの割合。日本語とつたない英語でガイド。車窓から鈴なりになったカメラマン達の落胆ぶりが伝わる。これからのSL冬の湿原号の行く末に暗雲?
紅葉満開の「川の道」で阿寒の自然を堪能
10月23日に阿寒クラシックトレイル「川の道」を開催しました。とてもめまぐるしく天気が変わる日でしたが、釧路の天気予報とも違い、なかなか予測がつきません。晴れ、くもり、雨、晴れ、そして雪、再び晴れという具合。
さて、紅葉はなんとか終盤に間に合った感じで、ヤマモミジの紅葉が誠に美しく、川の流れと背後の山とのコントラストに圧巻されました。「川の道」はいつも秋におこなっておりますが、このエリアは阿寒でも特にヤマモミジが多く、紅葉の美しい処のひとつです。台風の影響で道が結構、荒れており、参加者の皆さんもちょっと苦労されているようでした。阿寒の森で採取されたシナノキの蜂蜜入りスコーンやの天然エノキの味噌汁などご当地グルメも充実のツアーでした。
マリモ祭りに参加して、阿寒の秋を満喫してきました
阿寒湖温泉最大の祭り、第67回「マリモ祭り」に行ってきました。マリモ祭りは昭和25年に、マリモ保護をすすめるためにアイヌと和人が協同で創作した祭りです。当時、電力需要のため阿寒湖の水位低下によるマリモの枯渇が問題となり「開発か、自然保護か」という見出しが新聞を飾りました。また、マリモを観光土産に売却するのも問題となり、マリモを湖に戻そうという運動が発端となって祭りがスタートしました。
今年は好天に恵まれ、湖からマリモを迎える儀式から観光客も一緒にアイヌコタンまでたいまつ行進、その後、全道から集まったアイヌの方々の各地の民族舞踊披露をおこないました。
翌日はアイヌコタンから温泉街をパレードし、送る儀式でマリモを湖に戻して終了となりました。
祭りは10月8.9.10日の3日間と決まっていますので、暦周りのいい今年はお客も多い感じでした。初日はマリモの生息地観察がおこなわれますし、2日目の昼からは、温泉街の関係者が参加するマリモ祭り音頭がまちなかを練り歩きます。皆さんも是非一度、「西の札幌雪祭り、東の阿寒マリモ祭り」と謳われた北海道を代表するアイヌと和人が創った自然愛護の祭りをご覧下さい。
凸凹旅行舎ガイド研修記③ 釧路の観光まちづくりを旅をしながら考える
当舎の研修はフィールドワーク(自然やまちなみ)と資料館や美術展等関連文化施設の視察がセット。類比的に視察箇所や鑑賞箇所を決めている。今回は黒部渓谷、木曽路散策後、東京で2つの展覧会を鑑賞。ここ数年、阿寒の観光まちづくりを個人的なテーマにし、特に温故知新のモチーフとして松浦武四郎の古道トレッキングや前田一歩園の歴史を掘り起こしている。
今回の一つ目は江戸東京博物館の『よみがえれ!シーボルトの日本博物館』展で、武四郎から遡って、間宮林蔵そしてシーボルトに行き着いた。この歴史を縦軸とすると、横軸は吉村昭の著作で、『間宮林蔵』『生麦事件』『ふぉん・しいほると(シーボルト)の娘』と読み進んで、これに『高熱隧道』も加わり、今回はさながら吉村文学の旅。さて、外国人の目線で日本を紹介するため生活文化自然芸術等々の蒐集品を欧州に持ち帰ったシーボルトが日本文化をつたえる博物館構想をもっていたのを再現したのがこの展示会であった。シーボルトが構想未完のまま没した1866年から12年後の1878年に、逆に日本人の目線で欧州に日本文化を発信したパリ万博の日本館の中心人物が前田一歩園創設者の前田正名である。欧州はジャポニズムのブーム真っ只中で、その源流部にシーボルト、本流に前田正名の存在があった。
二つ目はビアトリクス・ポター生誕150周年『ピーターラビット展』(渋谷BUNKAMURAミュージアム)である。英国湖水地方=V・ポター=ナショナルトラストは、阿寒の森=前田光子=一歩園財団と私のなかでは対で、自然と人の共生と観光文化の結びつきを類推しながら考えることがおおい。阿寒にはアイヌという先住民文化とともに、自然と人の共生文化のキープレイヤーとして前田一歩園の活動が阿寒における地域と自然の持続可能性に寄与している。阿寒の観光文化を次代につなげるために、より深く地域の物語を世界に発信する場が必要だとおもう。絶景や自然美の背後にある物語は観光により深い感動をもたらすものとなる。ポター関連の観光施設が点在する湖水地方、阿寒にも前田一歩園関連の観光文化施設があってしかるべき。あたらめて阿寒の可能性を想像しながら、二つの展覧会を鑑賞した。